めくるめく官能世界へ! 女性の裸の美が堪能できるフランス映画とは?

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めくるめく官能世界へ! 女性の裸の美が堪能できるフランス映画とは?

フランス版アカデミー賞として知られるセザール賞や、ゴールデングローブ賞に相当するリュミエール賞など、フランス国内の権威ある映画賞に次々とノミネーションされたことで話題を呼んだ映画『メゾン ある娼館の記憶』。パリの高級娼館に漂う退廃的な美しさを描き、昨年の東京国際映画祭の上映でも評判となった同作がいよいよ6月2日(土)より公開を迎える。

本作の舞台は20世紀初頭の華やぐパリ。高級娼館アポロニドの娼婦たちは夜ごと派手に着飾り、尽きることのない男たちの欲望を満たしていた。そんな官能の世界が濃密に描かれる一方で、本作は彼女たちが抱える不安や葛藤にも焦点が当てられている。男に騙され、顔にひどい傷を負ったり、常客に本気で恋をしてしまったり、そこにいるのは等身大の女性たちばかりだ。

また、非常に手の込んだ映像も本作の大きな魅力だろう。娼婦たちの妖艶でありながら、どこか儚げにも感じられる佇まいは、まるで古典絵画に描かれた裸婦たちと見紛うほど。作品の性質上、ヌード表現もかなり多いが、絶妙なライティングにより浮かび上がる女性の姿は、エロティックさよりも裸体のアーティスティックな美しさそのものが強調されているのだ。そのほか、劇中に登場する調度品や衣装などにもこだわりが感じられ、当時の高級娼館の雰囲気が見事に再現されている。

今年の第84回アカデミー賞で作品賞に輝いた『アーティスト』(11)と並び、フランス国内の賞レースを大いに賑わせた本作。20世紀初頭のデカダン的な空気をじっくりと堪能してほしい。【トライワークス】

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