第11回トライベッカ映画祭、真のヒーローと共に『アベンジャーズ』で閉幕!

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第11回トライベッカ映画祭、真のヒーローと共に『アベンジャーズ』で閉幕!

4月18日から12日間に渡って開催されていた第11回トライベッカ映画祭が、5月4日から全米公開の『アベンジャーズ』で盛大に幕を閉じた。

既にロサンゼルスでプレミアを行っている同作の主役で、紅一点のスカーレット・ヨハンソンは残念ながら仕事の関係でレッドカーペットを欠席したが、2001年9月11日に起きた同時多発テロの復興を願って開催された映画祭らしく、当時の真のヒーローとなった消防士らを招き、観客、メディアが一丸となってアメコミ映画のヒーロー、ロバート・ダウニー・Jr.、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、ジェレミー・レナーらと共に、彼らを称えた。

今年は、オープニング作品のロマンティックコメディ『The Five-Year Engagement』とクロージングの『アベンジャーズ』以外は、よりエッジの利いたニューヨークらしい作品が多数出展されたが、一方でテレビで活躍する俳優たちの主演作も多かった。『Struck By Lightning』で主役を務めた「Glee」のクリス・コルファーや、同作でプロデューサーを務めたロベルト・アギュア、その友人としてエマ・ワトソンがレッドカーペットに応援に駆けつけるサプライズもあった。また『Giant Mechanical Man』では、「The Office」の主役も務めるジェナ・フィッシャー、『スパイダーマン3』(07)の悪役でも知られるトファー・グレイス、「Mad Man」のリッチ・ソマーとその応援で「Mad Man」「30 Rock」のキャストが華を添えたほか、復活作ともいえる『Knife Fight』の主役ロブ・ロウなどが、レッドカーペットを歩いた。

大いに話題になったのは、一昨年、アカデミー賞の司会と主演男優賞にノミネートされ、今回は学校授業の合間に監督作『FRANCOPHRENIA (OR: DON'T KILL ME I KNOW WHERE THE BABY IS)』でレッドカーペットに駆けつけたジェームズ・フランコ、アカデミー賞脚本賞にノミネートされた昨年の話題作『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』で脚本と主演を兼ねた、『Revenge for Jolly!』のクリステン・ウィグ、復活が期待される『The Fourth Dimension』のヴァル・キルマー、『Whole Lotta Sole』のブレンダン・フレイザー、『2 days in New York』のクリス・ロックに監督で主演のジュリー・ディプリー、『The Girl』で主役を務めたアビー・コーニッシュ、フランスの若者たちの性を取材するうちに、自らの夫婦関係に欲求不満を抱いた主婦役でヌードとマスタベーションシーンを披露した『ELLES』のジュリエット・ビノシュなど、豪華キャストが勢ぞろいした。

なかでも、『マリリン7日間の恋』(12)で第84回アカデミー主演女優賞にノミネートされたミシェル・ウィリアムズは、『TAKE THIS WALTZ』で全裸姿で激しいセックスシーンを披露したことや、同映画祭で『The Five-Year Engagement』のジェイソン・シーゲルとの交際を認め、ふたりそろってパーティに出席したり、エリック・バナとオリヴィア・ワイルド主演の『Deadfall』などの上映会に参加するなど、最も注目度が高かった。

またパネルディスカッション“トライベッカ・トーク”の前には、マイケル・ムーア監督とスーザン・サランドンがレッドカーペットを歩いたほか、最大のイベントになるはずだった、同映画祭の発起人ロバート・デ・ニーロと第84回アカデミー賞で主演女優賞を受賞したメリル・ストリープのトークショーでは、メリルが直前にレッドカーペットを歩くはずだったが、メリルは残念ながら直前にキャンセルとなった。

46ヶ国から長編89作品と短編46作品が出展され、約400の上映が行われた今年の映画際の映画鑑賞者数は約11万6千人で、劇場占有率は今年も95%以上となった。またパネルディスカッションやドライブインシアター、野外のフリーイベントなどの総参加者数は38万人に上り、今年も大盛況のうちに幕を閉じた。

なお、陪審員であるパトリシア・クラークソンやダコタ・ファニング、マイク・ニューウェル監督らが選ぶワールドコンペティション長編部門には『War Witch』が、観客が選んだ“ハイネケン・オーディエンス・アワード”には、通常は1作品だが今年は例外的に、長編部門では『X-MEN2』(03)でナイトクローラーに扮し、ゲイであることをカミングアウトしたアラン・カミング主演の『Any Day Now』が、ドキュメンタリー部門では『Burn』の2作品が選ばれた。

『Any Day Now』は、1970年代のロサンゼルスの実話を基に描かれた小説の映画化で、母親に見捨てられたダウン症候群の少年に愛情を注ぎ、養子にもらおうとするゲイのカップルが、ゲイであるがゆえの法的制約に阻まれる苦悩を描いたドラマ。アランと恋人役ギャレット・ディラハントの迫真せまる演技と、ブロードウェイの舞台で鍛え上げたアラン歌唱力は見るものを圧倒し、上映後は拍手喝采が鳴り止まなかった。【NY在住/JUNKO】

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