デビュー30周年を迎えたニコケイが珍しい等身大の中年男に!
かの巨匠、フランシス・フォード・コッポラ監督の甥にあたり、ハリウッドのモト冬樹の愛称(!?)で日本でも良く知られる人気俳優ニコラス・ケイジ。アルコール依存症の男と娼婦との恋を描いた『リービング・ラスベガス』(96)でアカデミー賞主演男優賞に輝くなど、その演技力はお墨付きだが、『ナショナル・トレジャー』シリーズや、アメコミのダークヒーローに扮した『ゴーストライダー』(07)といった作品でアクション俳優としての印象が強い。
6月に公開される2作品では、そんな彼が最近あまり印象にない等身大の中年男に扮している。まず、6月16日(土)公開の『ハングリー・ラビット』。同作での彼の役どころは平凡な高校教師。愛する妻が何者かに暴行され、犯人への復讐を代行するという申し出を受けてしまったために、見知らぬ人物の代理殺人を強いられるという不条理な出来事に巻き込まれる男に扮している。
一方、6月23日(土)の『ブレイクアウト』では、妻子と平和に暮らすダイヤモンドディーラーに。突如、覆面をした強盗に自宅を襲われ、金庫にあるダイヤモンドを要求されたことから、ダイヤモンドに秘められた秘密や、妻が隠していた秘密が明らかになり、疑心暗鬼になる男を演じている。
弱々しいとまではいかないが、自分ひとりで強引にトラブルを解決してしまうまでの強さもないこの2作でのニコケイ。『初体験 リッジモント・ハイ』(82)でのデビューから30周年を迎えた今年になってこんな役が立て続けに公開されるもをユニークだが、いつもとは違う彼の姿をぜひ見届けてほしい。【トライワークス】
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