故・原田芳雄の一周忌に、9年の時を経て伝説の主演作がよみがえる

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故・原田芳雄の一周忌に、9年の時を経て伝説の主演作がよみがえる

2011年7月19日に惜しまれながら71歳で亡くなった俳優・原田芳雄。遺作となった『大鹿村騒動記』(11)をはじめ、『竜馬暗殺』(74)、『ツィゴイネルワイゼン』(80)、『われに撃つ用意あり』(80)など、数々の名作で印象的な存在感を放ち、日本映画に確かな足跡を残した名優だ。彼の一周忌にあわせ、主演作であり代表作の一つでもある『ナイン・ソウルズ』(03)が、6月23日(土)より9年ぶりにニュープリントでリバイバル上映される。

本作は、今年4月に公開された『モンスターズクラブ』に続き、藤原竜也を起用した新作『I'M FLASH!』(9月1日公開)の公開が待たれる豊田利晃監督が2003年に手がけた群像劇。刑務所を脱獄した9人の囚人たちが、自称・偽札王が隠したとされるタイムカプセルを探し、もがき苦しみながらさまよう物語が展開する。原田芳雄のほか個性的なキャスト陣が集結し、松田龍平や瑛太ら、現在の日本映画界の第一線で活躍する若手の演技合戦も見ものだ。

なお、今回の上映ではデザインを一新したポスターとチラシが制作され、主要キャスト16人の一人ずつにクローズアップした16種の枚数限定特別チラシを配布。印象的なキャッチと共に、役者の絶妙な表情が切り取られたビジュアルが話題を呼び、メイン館である渋谷のユーロスペースでは用意した一万枚が設置から10日間で配布終了となってしまったそうだ。改めて本作の人気ぶりが感じられる。

今回は映画のタイトルにかけた“9年ぶり”のリバイバル上映というだけでなく、原田芳雄の追悼ロードショーでもあるので、命日には追悼イベントも開催される予定だ。スローモーションを効果的に使用したドラマティックな映像、独特の間が思わぬ笑いを引き起こすユーモアセンス、そして破滅的であり感動的なラストに向けてドライブしていく物語と、“豊田節”とも呼べる要素が目一杯詰め込まれ、9年が経った現在でも決して色あせない本作。苦しみながらもがきつづける傷ついた9つの魂の叫びを、是非もう一度劇場で味わってほしい。【トライワークス】

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