中国当局に喧嘩を売った!? 裏メッセージが隠された激ヤバ映画が日本上陸

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中国当局に喧嘩を売った!? 裏メッセージが隠された激ヤバ映画が日本上陸

一見すると、ド派手なアクションが目を惹くチョウ・ユンファ主演のエンタメ映画。しかし、よく見ると、これって強烈な政府批判なのでは!? 中国で一大センセーションを巻き起こした問題作『さらば復讐の狼たちよ』は、劇中に隠された風刺的メッセージを解読しようとリピーターが続出、何と中国映画の歴代興行収入記録をあっさり塗り替えてしまったのだ。そんな本作が遂に7月6日(金)より日本公開されることになった。

映画のストーリーは至ってシンプル。金と暴力で全てをコントロールする冷徹な独裁者に、7人の熱いギャングが立ち向かうというものだ。ところが、このシンプルな物語には中国当局を批判しているとも思えるシーンが幾つも散りばめられている。たとえば、劇中には馬に引かれた列車が派手にひっくり返ってしまうシーンが登場するが、これは中国語で「馬列主義」と書くマルクス・レーニン主義の転覆を暗示するものとして解釈できるのだ。

そんな本作でメガホンを取ったチアン・ウェン監督は、2000年の監督作『鬼が来た!』で中国当局とちょっとした対立を起こしている。というのも、国内の検閲を通さないまま海外での上映を強行してしまったのだ。その結果、ウェン監督には5年間の映画制作禁止が言い渡されてしまう。同作はカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞するほどの作品なだけに、この処分はあまりに理不尽と言えるだろう。今作でウェン監督が社会的メッセージを巧みに隠蔽しなければならなかった裏には、そんな中国の厳しい検閲事情もあるようだ。

本国では隠されたメッセージが話題になったことで、政府も上映規模を縮小させるなどの規制をかけたようだが、既に映画は社会現象となり、手がつけられない状態になっていたそうだ。監督は、もちろん“風刺らしきシーン”について明言はしていないが、劇中で描かれる中国の状況は、不思議とそのまま日本社会に当てはまるものも多い。難しいことを抜きにしても純粋に楽しめる作品だが、是非ここはあなた自身の目で隠されたメッセージを見つけ出してみてほしい。【トライワークス】

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