『苦役列車』完成!森山未來が語る風呂なし生活の臭う役作り
西村賢太の芥川賞受賞小説の映画化『苦役列車』(7月14日公開)の完成披露会見が6月14日に開催。主演の森山未來、高良健吾、前田敦子、山下敦弘監督が登壇。森山が扮するのは、19歳の肉体労働者・北町貫多役。森山は撮影中、役作りのため、三畳一間(風呂なし・トイレ共同)で、酒とタバコに入り浸りの日々を過ごしたという。森山は「探したら、新宿に三畳一間で共同シャワーってのを見つけたんです。便利だし、ゴールデン街に前々から興味があったので、新宿なら役柄にかこつけて行けるかなと」と笑顔で語った。
森山は「抱えてるコンプレックスは全ての人が抱えているもの。自分の中から出てくるものプラス臭うものがほしくて。4、5日、風呂に入らない日が続いたけど、メイクさんにも周りの人にもその辺を了承してもらいました」とコメント。高良は森山の臭いを感じたと苦笑いしながらも、「森山さんが(酒が残り)顔をパンパンに腫らせて遅刻してきたら、みんながほめる。その腫れが引く前に撮らなきゃっていう、見たこともない現場でした(笑)。そういう役者さんに出会ったのも初めてでした」と、森山を称えた。
ヒロインを演じた前田は、「山下監督作が大好きだったので、6日間、毎日幸せでした」と愛くるしい笑みを浮かべた。劇中で森山が演じた北町貫多と、高良が演じた日下部正二のどちらが好みかを尋ねられると、「貫多は、しょうがない人だなって思いながらも映画を見ていくうちに可愛くてしょうがないようになっていきました」と答えた。それを聞いた森山は「気になるけど、触れたいか触れたくないかは別の話だと思います」と苦笑した。
メガホンを取ったのは、『天然コケッコー』(07)、『マイ・バック・ページ』(11)の山下敦弘監督。山下監督は「とにかく3人が素晴らしい。隅々までキャストが素晴らしく、映画の力になっている。特に主演の森山君は出ずっぱりで素晴らしいです」と自信を持ってアピールした。“モテキ”から転落し、“ダメキ”にもがく19歳の青年を、森山未來がどう演じたのか気になるところだ。【取材・文/山崎伸子】