庵野秀明、『巨神兵東京に現わる』は宮崎駿に「終わってから見せる」

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庵野秀明、『巨神兵東京に現わる』は宮崎駿に「終わってから見せる」

7月10日(火)より東京都現代美術館で開催される「館長庵野秀明 特撮博物館」のプレス内覧会と開会式が、7月9日に開催。当博物館の館長を務める庵野秀明、副館長の樋口真嗣、本企画をプロデュースしたスタジオジブリの鈴木敏夫らが登壇。目玉として公開される、企画・庵野秀明、監督・樋口真嗣のスタジオジブリの最新特撮短編映画『巨神兵東京に現わる』も初披露された。庵野館長は「僕がぽっと言った『巨神兵東京に現わる』、その思いつきが素晴らしいものになっています。ここでしか見られないものなので、是非足を運んで体験してほしい」と、熱く語った。

宮崎駿監督作『風の谷のナウシカ』(84)に登場した巨神兵が実写化されることで話題となった『巨神兵東京に現わる』。庵野が「最大の功労者はこの方」と感謝するのが、鈴木プロデューサーだ。鈴木は「まだ(映画を)宮崎駿に見せてないんです。ポスターは、彼が見て、くすっと笑ったので、デザインはこれでOK。映画は、自分のものを他人に提供する場合、素晴らしいと手を叩く監督はいない。僕はお盆の前くらいに見せたらどうかなと思って、庵野に相談したら、終わってからで良いんじゃないかと(笑)」と語った。

樋口監督は『巨神兵東京に現わる』について、「気心の知れたスタッフとやったので、撮影は非常に順調でした。これは本当に楽しかったです。まるで文化祭の前日のような楽しさ。永遠に続ければと」と、笑顔でコメント。庵野も樋口監督の手腕について太鼓判を押す。「樋口に頼んで良かったと思いました。本当に良くできてます。いろんな事情も知ってる中で、よくここまでと。ありがとう、しんちゃん」と嬉しそうな笑みを見せた。実際、完成した作品はCGを封印し、これまでの特撮技術だけではなく、革新的な新しい技術も投入した快作となった。

特撮博物館では、本展のために修復されたミニチュアやデザイン画など、様々な資料約500点が展示されている。庵野は今回の展示内容についても「特撮の面白さが詰まってます。映像の中の枠の面白さと、その外にある物の面白さもあります」とアピール。確かに『ゴジラ』から『ウルトラマン』まで、様々な映画のセットや特撮にまつわるメイキング映像も、心躍る内容になっている。実際に、自分でカメラで撮影できるスポットも楽しいので、気のおけない仲間を誘って、特撮写真にもトライしてみよう。【取材・文/山崎伸子】

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