自称“ジョーカー”による銃乱射事件で各映画会社が興行成績発表を見合わせ

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自称“ジョーカー”による銃乱射事件で各映画会社が興行成績発表を見合わせ

現地時間7月20日深夜、『ダークナイト ライジング』(日本7月28日公開)の公開を待ちわびた多くの観客でにぎわうコロラド州デンバー郊外オーロラの映画館で、映画上映中に銃乱射事件が勃発。死者12人、負傷者58人という大惨事を受け、配給元のワーナー・ブラザースをはじめとする各映画会社が、7月23日の月曜日まで興行収入の発表を見合わせるという異例の措置を取ることがわかった。

同作は『アバター』(09)、『タイタニック』(97)に続く全米興収歴代3位の座に君臨していた『ダークナイト』(08)の続編で最終作だ(現在は公開中の『アベンジャーズ』が全米興収歴代2位に位置している)。公開を待ちわびていた多くのバットマンファンや映画ファンが、公開直後の週末に映画館に殺到することが予想され、『アベンジャーズ』が打ち立てた週末のオープニング記録2億740万ドルを超えるかどうかに注目が集まっていた。

そのため、通常であれば最終興行成績が発表される月曜日以前に、歴代記録を破ったかどうかについて、金・土・日の興行成績が大々的に発表される予定だったが、「今回の凄惨な事件を受け、ワーナー・ブラザースが、月曜日まで興行成績の発表を見合わせることを発表し、ソニー、フォックス、ディズニー、ユニバーサル、パラマウント、ライオンゲートもそれに追従することになった」と、米テレビ番組アクセス・ハリウッドが報じている。

コロラド大学で神経科学を学んでいた24歳の大学院生ジェームズ・ホームズ容疑者からは、依然として犯行の動機が明かされていない。しかし、警察などの話としてデイリー・メール紙が報じたところによれば、「髪を赤く染め、『ダークナイト ライジング』の悪役でトム・ハーディ扮するベインさながらにガスマスクを着けて催眠ガスを投げつけ、銃を放ったホームズは、『ダークナイト』で故ヒース・レジャーが演じたバットマンの宿敵ジョーカーを名乗り、あまり反省した様子を見せていない」「今回の銃殺事件は約4ヶ月かけて綿密な計画が練られていた。拳銃4丁を購入し、警察に捕まった後、家宅捜査をしに来た警察官らを殺害するため、爆弾などを仕掛けていた、など明らかにジョーカーを意識している」そうで、記録破りが期待されていたバットマン映画に、真っ向から反抗する映画さながらの大惨事となった。

同事件を受け、ワーナー・ブラザースをはじめ、オバマ米大統領、クリストファー・ノーラン監督、クリスチャン・ベール、ゲイリー・オールドマン、ハンス・ジマーなどが追悼の意を表す声明を発表しているほか、事件当日に行われるはずだった、パリでのプレミア試写会が中止となり、さらに監督らが予定していた日本、メキシコの凱旋ツアーも中止されることが発表された。また、ニューヨークなどの劇場では、カバンのチェックなど警備体制を強化するほか、コスチューム着用の観客の入場を禁止するなど、娯楽のための映画館周辺は物々しい雰囲気に包まれている。【NY在住/JUNKO】

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