『宇宙兄弟』プチョン国際ファンタスティック映画祭で最優秀作品賞と観客賞をW受賞
人気同名コミックを小栗旬、岡田将生主演で映画化した『宇宙兄弟』(公開中)が、第16回プチョン国際ファンタスティック映画祭で、コンペティション部門の最優秀作品賞と観客賞をW受賞した。最優秀作品賞は本映画祭において最も栄誉ある賞であり、カンヌ国際映画祭におけるパルムドールとも言え、日本映画が受賞するのは初めてのこと。また、最優秀作品賞と観客賞をW受賞というのは、本映画祭が始まって以来初めての快挙となる。
コンペ全12作品の中から本作を最優秀作品賞に選んだ理由を、同映画祭プログラマーのアリス・ユー女史は、「審査員がこの作品を選んだ理由は、有名な漫画を原作にして作られた映画『宇宙兄弟』は、この種のジャンルでは弱いとされるドラマの構成に非常に密度があり、強い感動を与える作品としてオリジナリティを感じたからである。また、面白く、そして感動的なストーリーで観客と活発にコミュニケーションを図ろうとした作品であったことも大きな選出理由」と明かし、「主演の小栗旬さんと岡田将生さんの息の合った演技が、『宇宙兄弟』をより輝かせたことは間違いない」と断言した。
同映画祭期間中、ここまで2回行われている本作の上映のチケットは、いずれも発売開始3分で完売するほどの盛況ぶりで、最優秀作品賞の受賞を受け、新たに2回の追加上映が決定。映画祭関係者によると、映画祭のテーマである「愛・幻想・冒険」を生き生きと表現している点が評価されたようだまた、出品にあたり「現在、日本という文化圏で人気を博しているコミックを原作としたこの映画のトーンや、テーマへの視点が韓国の方々にどう受け止められるか楽しみ」と語っていた森義隆監督は、受賞の知らせを聞いて「映画の大半がオリジナル作品である韓国という土壌で、日本の人気コミック原作というものが非常に強い関心をもって受け入れられているということを実感しました。それだけでも貴重な体験だったのですが、さらに賞までいただき、嬉しい限りです!」と喜びを噛み締めた。
7月29日まで行われていた同映画祭では、本作のほかにクロージング作品で『愛と誠』(公開中)、長編コンペティション・プチョンチョイスで『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』(公開中)が出品されていた。【Movie Walker】