原作×映画×最新作がクロス!『天地明察』の算哲が冲方丁の最新作「光圀伝」に登場
2010年の本屋大賞第1位に輝いた冲方丁のベストセラー小説を、岡田准一主演で映画化した『天地明察』(9月15日公開)。本作公開を前に9月4日(火)、冲方の最新作「光圀伝」が発売される。「光圀伝」は「天地明察」で日本初の暦作りのリーダーとなった安井算哲と同時代を生き、「天地明察」にも登場する水戸光圀の物語である。
この水戸光圀、実は算哲が行った天下の大事業、改暦の後盾的存在だった。映画『天地明察』にも登場する光圀(中井貴一)だが、算哲を改暦事業のリーダーとして推薦したり、それから幾度となく暦作りの壁にぶち当たる算哲に資料や観測器具を与えるなど、改暦事業の環境を整えるため尽力するなどのエピソードが描かれている。
冲方の心をとらえ、書かずにはいられなかったこの歴史的人物のそれぞれの物語。「光圀伝」発売により、小説「天地明察」、映画『天地明察』、そして小説「光圀伝」と3つの作品がそろい、日本初の暦作りを軸に物語がクロスするという試みが実現する。「天地明察」の安井算哲、「光圀伝」の水戸光圀、それぞれの目線で改暦を紐解くことができる非常に興味深いこの試み。映画『天地明察』に登場する同じシーンやセリフが「光圀伝」にも登場し、物語がリンクし、映画『天地明察』の算哲が「光圀伝」にも登場する。改暦が成し遂げられるまでを描いた「天地明察」とは別に、最新作「光圀伝」では現存するふたりの間の貴重な書簡から誕生した、改暦後の算哲と光圀のエピソードが描かれているというのだから、「天地明察」だけでは知り得なかった暦作りの歴史をより深く堪能することができるだろう。
改暦を成し遂げた一人の男、そしてそれを裏で支えた天下人。小説「天地明察」、映画『天地明察』、最新小説「光圀伝」で改暦の始まりからその後の物語まで、暦“フルコース”物語をを楽しんでみてはいかがだろうか。【Movie Walker】