幽霊なし&わざと驚かせる仕掛けもなし!それでも超怖い「トリハダ」シリーズって?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
幽霊なし&わざと驚かせる仕掛けもなし!それでも超怖い「トリハダ」シリーズって?

映画ニュース

幽霊なし&わざと驚かせる仕掛けもなし!それでも超怖い「トリハダ」シリーズって?

『リング』シリーズや『呪怨』シリーズなど、日本を代表するホラー映画の数々は、ここ日本だけでなく、世界中のホラー映画ファンを魅了してきた。だが、そのどれもが幽霊やホラーヒロインとでもいうような強烈なキャラクターが登場し、出るぞ出るぞ的な仕掛けだったり、効果音で驚かせるような作品が少なくなかった。

それは前述したような“Jホラー”作品に限らず、モンスターやゾンビが出てくるような海外のホラー作品も同じで、観客を驚かせるための手法というのはどこの国の作品でもそんなに変わりはないのだ。ところが、9月13日(木)から公開となる『トリハダ 劇場版』はこれまでのホラー作品とはちょっと違っている。

本作は、後に「世にも奇妙な物語」としてゴールデンに進出した「奇妙な出来事」や、映画化もされた「放送禁止」シリーズなど、傑作が多いフジテレビ系の深夜ドラマがベースになっている。2007年から不定期に深夜に放送され、その都度、話題を呼び、回を重ねてきた「トリハダ」シリーズはいわゆる恐怖ものだが、幽霊も超常現象も起きたりしないのだ。では、どこがそんなに怖いのだろう?

本シリーズをわかりやすく説明するトリハダ五箇条なるものがあるので、ご紹介しよう。それは、1.幽霊は出ない 2.超常現象は起きない 3.音楽で恐怖を煽らない 4.過度な演出はしない 5.日常から逸脱しない というもの。特に1から4まではホラー映画になくてはならないものではないだろうか。幽霊やモンスターは出してなんぼだし、それに合わせて効果的に音楽を使うというのもお決まりの演出方法だ。だが、本シリーズでは、いわゆるストーカーだったり、壁の薄いアパートの自室の向こう側にいる見知らぬ隣人だったり、誰もが恐ろしい出来事の当事者になりうるような設定が肝で、そんな観客を驚かすような手法を取らずとも、思わず背筋がぞくっと来てしまうのだ。そして最後の“日常”というのが大事で、いかに身近に起こりうる出来事なのか、というのがこのシリーズがこれまで支持されてきた理由なのだ。

普段の生活の中で、無意識のうちにしてしまった行動が、他人にとっては不愉快で、その言動がきっかけでトラブルになることもあるだろう。今回の劇場版の中で起きる出来事もそれらがエスカレートしたものだが、何気ない日常にこそ、とてつもなく恐ろしい出来事が潜んでいることを気付かせてくれる、非常に興味深い一作になっているのだ。【トライワークス】

作品情報へ