キュート&ワイルド!江戸時代の伝奇小説がベースのアニメ映画が誕生

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キュート&ワイルド!江戸時代の伝奇小説がベースのアニメ映画が誕生

世界各国の神話や言い伝え、おとぎ話などに数多く登場する半人半獣の存在。普段は人間として生活しているが、満月を見ると狼に変身する人狼などは中世ヨーロッパ文学や映画で人を脅かす存在として描かれてきた。日本でも、八房という名の犬が発する気に触れて、伏姫が産んだ息子たちが活躍する滝沢馬琴こと曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」が代表格とも言えるだろう。そんな有名な江戸時代の長編伝奇小説をモチーフに、桜庭一樹が描いた時代小説「伏 贋作・里見八犬伝」を原作としたアニメ映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』が10月20日(土)より公開される。

本作に登場する獣人(けものびと)は、ひどく残酷な面があり、人々から恐れられる一方で、犬の血なのか、驚くほど人懐っこいところもある、人と犬の血を引く存在“伏”。その一人でもある青年・信乃は、普段は深川一座の看板役者として伏姫役を演じている。そんな彼がある日、ひょんなことから田舎の山で猟師として育てられた14歳の少女・浜路と出会う。祖父の死をきっかけに、兄を頼って江戸へやって来た浜路は、人の生珠(いきだま)を喰らう“伏”を退治する仕事を兄と始めるが、彼女が追う獲物こそ、信乃そのものなのだ。

本能の赴くまま、生珠を喰らっていた信乃だが、浜路との間に芽生えた淡い思いによって、彼女の生珠を取り出すことをためらう。その苦悩こそが、人から受け継いだ理性と、獣の血によって呼び覚まされる本能の狭間で揺らぐ、獣人というキャラクターを魅力的に輝かせる大きな要素だ。獣人ならではの悩みが作品をよりドラマティックに仕上げていると言っても過言ではない。

耳や尻尾などの可愛らしさと牙や爪といったワイルドさも持ち合わせた獣人たち。スクリーンを縦横無尽に駆け巡る彼らが生み出す躍動感に、是非触れてみてほしい。【トライワークス】

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