新たな絶頂期を迎えた名匠が贈る、軽妙洒脱なラブコメって?

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新たな絶頂期を迎えた名匠が贈る、軽妙洒脱なラブコメって?

ニューヨークを舞台に、そこに生きる人々の日常を繊細かつユーモラスに描く作品を数多く手がけてきたウディ・アレン監督。『アニー・ホール』(77)では第50回アカデミー監督賞と脚本賞、『ハンナとその姉妹』(86)でも第59回アカデミー脚本賞を獲得するなど、監督だけでなく、脚本家としてもその才能を発揮。さらに、俳優としても味わい深い演技を魅せる彼の多才ぶりに世界各国の映画界は魅了され、日本では『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』(72)、『ウディ・アレンの重罪と軽罪』(89)といったように、アレン監督の名前を邦題に付けて“アレン監督作品”ということを大々的にアピールするほどの人気と評価を獲得していた。

しかし、数億ドルという巨額の製作費が投入されたハリウッド超大作やディズニー ピクサーなどの3DCGアニメに押される形で、アレン監督作品にスポットが当たる機会が減少。そのうえ、長年にわたって公私共にパートナーだった女優ミア・ファローの養女とのスキャンダルな関係が白日の下にさらされた1992年以降、ツウの映画ファンや評論家たちからは高く評価されるものの、興行的な成功とは縁遠くなっていった。

そんなウディ・アレン監督に再び絶頂期が訪れる。第78回アカデミー脚本賞にノミネートされた『マッチポイント』(05)、ペネロペ・クルスが第81回アカデミー助演女優賞を受賞した『それでも恋するバルセロナ』(08)、そして、第84回アカデミー脚本賞にも輝いた『ミッドナイト・イン・パリ』(11)と、立て続けに秀作を発表。なかでも『ミッドナイト・イン・パリ』は、アメリカをはじめ、日本など世界各国でウディ・アレン監督作最高の興行成績を記録したのだ。日本では公開時、大規模での上映ではなかったものの、往年のファンだけではなく、幅広い客層を集客し満席となるシアターも続出したほどのヒットとなった。

その大ヒットを受け、2010年に製作されたウディ・アレン監督第41作目となる『恋のロンドン狂騒曲』が12月1日(土)に公開される。本作はロンドンを舞台に、世代の異なる2組の夫婦の破綻から4つの恋が生まれていく様を描いたラブコメディ。幸せを求めているだけなのに、その望みがあらぬ方向へ転がっていく男女の恋を、ウディ・アレン監督の持ち味でもある軽妙かつシニカルな語り口で綴っている。キャスト陣もアンソニー・ホプキンス、ナオミ・ワッツ、アントニオ・バンデラスら、まさにオールスターキャストと呼ぶにふさわしい豪華な面々が顔をそろえているのだ。

現在76歳という老齢ながら、健在ぶりを全世界にアピールし続けているウディ・アレン監督。酸いも甘いもかみ分けた大人の映画ファンを虜にする彼の才能を是非スクリーンで堪能してもらいたい。【トライワークス】

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