『ボーン・レガシー』ジェレミー・レナー、セクシーの秘訣は「自信とユーモアのセンスが大事」

インタビュー

『ボーン・レガシー』ジェレミー・レナー、セクシーの秘訣は「自信とユーモアのセンスが大事」

ジェイソン・ボーンの孤独な戦いを描き、マット・デイモンを真のハリウッドスターに押し上げた人気アクションシリーズ『ボーン』3部作。アクションの新機軸を築き、世界を熱狂させたシリーズの新章となる『ボーン・レガシー』がいよいよ9月28日(金)より公開される。ボーンの死闘の裏側で同時進行していた壮大な陰謀とは?新たな謎が加速する本作で、ニューヒーローに抜擢されたのが、今最も注目される俳優の一人、ジェレミー・レナーだ。そこで来日したジェレミーを直撃!

もともと『ボーン』シリーズの大ファンだったというジェレミー。どんな魅力を感じていたのだろうか?「『ボーン』シリーズには、僕が若い頃にはまった1970年代の映画の雰囲気があるんだ。たとえば『フレンチ・コネクション』(71)みたいなね」と笑顔を見せた。そして、「映画というのは、ファンタジーではあると思うんだけれど、エイリアンを描くようなものもあれば、非常にリアル感のあるファンタジーを描くものもある。『ボーン』は、まさにそういう世界観を持っているよね。僕自身、匂い立つようなリアリティに基づいた世界観というのがとても好きなんだ。だからこそ、今回の主人公は是非演じてみたいと思った」と、出演の決め手を教えてくれた。

演じるアーロン・クロスは、CIAによる人格・肉体改造計画によって造られた“最高傑作”の秘密工作員。役作りで大事にしたものとは何だろう。「記憶を失っていたジェイソン・ボーンと違って、アーロンは志願してこの仕事に従事している男。そこから役に入り込もうと思ったんだ。誰だって、何かの一員になりたいとか、人生に目標を持ちたいっていう意識があるよね。その意識が、僕と彼の共通点でもあった。ただアーロンの場合、志願してみたものの、道徳的なジレンマが生まれてくる。自分が信じていることと、実際にやっていることが、もしかしたら違うのかもしれないってね」。

“哀愁”は本シリーズの魅力の一つでもあるが、今作でも憂いをたたえたアーロンの眼差しが胸を打つ。アーロンのバックボーンをどのように想像したのだろう?「とにかく、脚本が本当に素晴らしかったんだ!アクション、心情面、ドラマ性、全てに真実味があった。アーロンの過去を想像するには、脚本だけで十分というくらいにね。特に面白いと思ったのは、アーロンがターミネーターとして造られた“最高傑作”であるのに、非常に人間的な感情があるところ。それは暗殺者としては欠点、欠陥になるわけだよね。役柄を作り上げるうえでは、彼のそういった面にとても重要な意味があったんだ」。

『ハート・ロッカー』(08)や『ザ・タウン』(10)、『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(11)、『アベンジャーズ』(12)など、話題作への出演が相次ぎ、まさに売れっ子のジェレミー。肉体を酷使するだけでなく、精神もすり減らすようなハードな役柄が多いように感じる。「そうだね!そういった役柄に惹かれるというのはあるかもしれない。心情的に複雑な役に惹かれるし、ここ数作続いたアクション映画からも、色々と学び取りたいという意識が強いんだ。僕は運動神経が良い方だしね(笑)。今回のアーロンも、肉体的にももちろんすごくタフなんだけれど、心情的にも非常に複雑な役だった。そういう役の頂点のような役かもしれないね」。

ハイスピードのアクションは迫力満点。ビルの谷間をすり抜け、背中にレイチェル・ワイズ演じるヒロインを乗せてバイクで駆け抜けるシーンなど、そのアクションシークエンスには息を呑むばかりだ。お気に入りのアクションシーンは?「見どころは多いけれど、僕は相手がいる生身の戦いのシーンが好きだね。相手のスタントマンが倒れたり、殴られたりしてくれて、僕がすごく格好良く見えるんだよね(笑)!それに、そういうシーンは技術的にも、どんどん上達していくのがわかる。非常に達成感があるんだ」。

時にジョークを交え、気さくにインタビューに答えてくれたジェレミー。クールな佇まいがセクシーと評判の彼だが、来日イベントでのフレンドリーな姿を見て、そのギャップにキュンとした女性も多いはずだ。最後に“良い男”の秘訣を聞いてみた。「自分に自信を持っている人は、格好良く見えるんじゃないかな。そして、自分というものをちゃんとわかっている人。そういうしっかりした人なら、ガールフレンドとの問題もすぐに解決できるはず。あとは、ユーモアのセンスが大事だね(笑)」。

すっかり注目の俳優となった彼だが、今の状況についても「周りのノイズは入れないで、自分のできることをしっかりやるだけ」と冷静に見つめていた。学びたいという意欲と、達成感を力に歩むジェレミー・レナー。芯を持ち、しっかりと地に足をつけて進む姿こそ、男らしさの秘訣だろう。まずは本作で、彼の魅力と極上のアクションに酔いしれてほしい。【取材・文/成田おり枝】

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