初の縛り体験に歓喜する我妻三輪子と気鋭女性監督のコラボ!

インタビュー

初の縛り体験に歓喜する我妻三輪子と気鋭女性監督のコラボ!

極端に他人との接触を避ける生物教師マドカと、彼に思いを寄せ、あらぬ妄想を抱く女子高生ツブラの関係を中心に、クラスメイトのエンと彼女に思いを寄せるマルとの四角関係をポップに綴ったラブストーリー『恋に至る病』(10月13日公開)。そんな本作でキュートで過激なヒロイン、ツブラを演じた我妻三輪子と、本作が初劇場用長編作となる木村承子監督に話を聞いた。

「相手を好きになっても、冷静なのかわからないけど、ツブラちゃんみたいに他が見えなくなるようなことってないから、良いなと思いました」と語ってくれたのは我妻。劇中ではマドカを思うゆえに、男性器がついてしまったり(直接的な表現はない)、拉致・監禁されたりと、とにかく色々な出来事に遭遇するが、「さすがに縛られるのは初めてだったので、写メ撮ってもらいました(笑)」と、女優冥利に尽きる思いだったそうだ。

そんなツブラ役も実はなかなか決まらなかったのだとか。「元気でおかしなところのある人っていうのがポイントだったんですが、我妻さんに会ったら、すごく目力があったのと、初対面なのに恥ずかしい話までしてくれて」というのが木村監督の我妻に対する第一印象。だが、不安もあったという。「モデルさんって、天の上の人ってイメージがあったんです。いまでこそ、三輪子ちゃんって言えるけど、現場では何て呼んで良いかわからなくて、ツブラさんって言ってました(笑)」。

キャリアの浅い木村監督だけに撮影現場では大変だったようだ。「わかんないことが多すぎて。撮影前日に師匠と仰ぐ冨永昌敬監督に電話して、『あんまり不安に思わないで先のことを考えろ』とか『ごめんなさいだけは言っちゃ駄目だよ』とか、監督心得を聞きました。そんな弱気な発言に対し、「女性監督だからやりやすかったのと、監督と自分が考えるツブラちゃんのイメージを最初から一緒に作ってくれたから幸せでした」と、すかさずフォローを入れる我妻の関係は、まるで姉妹のようなムードだった。

そんなふたりは共演者たちにも興味津々だったそうで、「マル役の染谷将太くんは年下なのに大人でした。彼が主演した『パンドラの匣』が好きで、劇中の“やっとるか?”“やっとるぞ”っていうやりとりをお願いして、やってもらいました」と話す我妻。「超麗しくて、キラキラしてた」とふたりが口をそろえて語ったのは、エン役の佐津川愛美。しかし、マドカ役の斉藤陽一郎をはじめ、誰一人として役者論を語るような存在がおらず、出演者の4人と監督のみんなが壁際に座っているタイプだったのが印象的だったという。

キャッチやポスターの過激なビジュアルもあり、ちょっと疑われそうな本作だが、蓋を開けてみるとオーソドックスなラブストーリーになっている。主演女優と監督の良好な関係がどのようなエッセンスとして作品に影響しているかは、是非劇場で確かめてほしい。【トライワークス】

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