193cmのリンカーンと運命の女性とのキスシーンが素敵すぎる!
アメリカの英雄である、第16代合衆国大統領エイブラハム・リンカーンが、裏で密かにヴァンパイア退治をしていたという、斬新な設定のエンターテインメント作品『リンカーン 秘密の書』(11月1日公開)。『ダーク・シャドウ』(12)のティム・バートン製作ということで、ミステリー&ド派手なアクションとしての面白さが際立った快作だが、リンカーンと、後にファーストレディとなるメアリーとのラブストーリーのパートも見応えがある。女性のハートを鷲づかみするようなときめきシーンが幾つかあるのだ。
リンカーンの妻となるメアリー役に扮するのは、メアリー・エリザベス・ウィンステッド。奇しくも同じメアリーだ。『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(10)でヒロインのラモーナを演じた彼女といえばおわかりだろうか。リンカーンとメアリーは、初めて出会った時から心惹かれ合う。だが、リンカーンは、ヴァンパイアハンターとして生きる決意をしてからは、「家族も友も持ってはいけない」という掟を守ろうとし、なかなか彼女にアプローチできない。ちなみに、ふたりでピクニックに行った時、リンカーンがメアリーに自分の正体を明かしたが、彼女はそれを冗談としか受け止めないという一幕もある。そんなじれったいふたりだが、どちらかと言うと肉食系女子(!?)のメアリーが、リンカーンに積極的にアプローチしていくのだ。
なかでもキスシーンが秀逸だ。リンカーンのトレードマークでもあるシルクハットを使うところも憎い。193cmの長身で知られるリンカーンにキスを求めるメアリーが、彼からシルクハットを取り、それを踏み台にして上り、キスをせがむというもの。戸惑うリンカーンが、優しく頬にキスをするシーンに、きっとハートを射抜かれることだろう。
遂に腹をくくったリンカーンは、メアリーにプロポーズする。それが「僕を世界一幸せにしてくれ」という受け身の決めセリフだというところも、肉食系女子を落とすには最適なフレーズだったに違いない。これは現代の草食系男子にも使えそうなフレーズかも!?
史実とファンタジーを巧みに交差させ、ワクワクするような娯楽映画に仕上がった『リンカーン 秘密の書』。日本語吹替版では、相武紗季がメアリー役のボイスキャストを務めるので、そちらも気になるところだ。【取材・文/山崎伸子】