リンカーン大統領暗殺事件の共謀者に女性が!『声をかくす人』が見せる真実とは?

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リンカーン大統領暗殺事件の共謀者に女性が!『声をかくす人』が見せる真実とは?

『大いなる陰謀』以来、5年ぶりにロバート・レッドフォードが監督を務め、リンカーン大統領暗殺事件の裏に隠された秘密を描く『声をかくす人』(10月27日公開)。アメリカ人ならばもちろん、そして歴史に少しでも関心がある人なら誰もが知っているであろう、アメリカ史上最も衝撃的な事件の一つ、エイブラハム・リンカーン大統領暗殺事件。フォード劇場で観劇中に暗殺され、その主犯は当時有名な俳優だったジョン・ウィルクス・ブースだったということは、世界中で語り継がれている史実だ。

しかし、リンカーン大統領暗殺に加担した罪で告訴された唯一の女性であるメアリー・サラットの存在については、アメリカでもあまり知られていない。ましてや、彼女に関する、ある事実は、ほとんど知られていなかった。脚本のジェームズ・ソロモンは「リンカーンの暗殺が大きな陰謀の一部だったこと。その夜に複数の襲撃があったこと。軍法会議が行われ、被告の中に一人の女性がいたこと」を突き止め、1993年から実に18年かけて脚本を完成させ、「歴史的に正確な映画を作ること」に成功したのだ。製作会社のアメリカン・フィルム・カンパニー(TAFC)は、アメリカで実際に起きた出来事から、歴史的に正確で魅力的な映画を製作するため、2008年に創立された会社だ。今回の作品でも、TAFCは歴史学者を雇い、細かい事実を補強していった。

さらに、その時代の証拠書類を数多く利用することができただけでなく、幸運にも南北戦争の少し前に写真が発明されたことも大きかった。戦争と、そこで戦った人々を記録するため、広範囲にわたってカメラが使用されたことにより、人々の外見や行動、洋服、建物や内装などを正確に再現することができたのだった。また、何と当時の絞首刑の写真も存在し、そこには黒いドレスを着た女性も確認できるという。本作の中でも絞首刑の瞬間を写真で収めるシーンが登場し、その写真とリンクしているのだ。

製作のブライアン・フォークは、「これは誰もがよく知っていると思っている事件だが、本当に知っている人間は誰もいない。誰もが、リンカーンはジョン・ウィルクス・ブースという俳優に殺されたことを知っている。でも、これほど大きく、もっと複雑な陰謀があったことは誰も知らないんだ」と語る。ロバート・レッドフォード監督は、「語られてきた歴史が必ずしも本当の物語ではない。アメリカの物語を語るのが好きだ。僕にとっては、物語をうまく語ることが全てなんだ。物語をきちんと伝えたい。観客に対する責任だと思う。それが僕の人生の大きな部分を占めている」と話しており、彼はいったいどんなアメリカの真実を突き止め、それを映画として見せてくれるのだろうか。その結末は是非とも劇場で自身の目で見つめてほしい。【Movie Walker】


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