ゴシップ女王のマドンナが世紀のスキャンダルを映画化。監督としての力量は?
過激な発言やポロリなどのパフォーマンス(!?)で、常に話題を提供しているマドンナ。そんなゴシップ女王とも言える彼女の2作目となる監督作『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』が11月3日(土)より公開される。
本作は、1930年代に世間を騒がせた英国王エドワード8世とその妻ウォリス・シンプソンのロマンスと、現代のニューヨークに暮らす一人の女性の物語を交錯させて描いたドラマだ。エドワード8世が恋に落ちたウォリス・シンプソンは、離婚歴のあるアメリカ人女性で、国王であるエドワード8世にはふさわしくない相手だとして、結婚を反対されていた。しかし、エドワード8世は彼女への愛を貫き、彼女のために王位を捨てたことから、当時は“世紀のスキャンダル”として注目を浴びた。
そんな世紀のスキャンダルを、自身もゴシップ女王として世間を騒がせているマドンナが、監督2作目の題材として選んだのは興味深いところだろう。マドンナはウォリスとエドワードのロマンスを知り、長年映画化の構想を練り、ようやく自身の手で映画化したという。『ワンダーラスト』(08)に続く、監督2作目となった本作では、監督としての注目度以上に、監督としての才能があるか否か、その力量が試されることにもなる。前作でも、キャスティングの妙や映像の美しさで、意外と監督としての手腕が評価された彼女だったが、本作でのクラシックなロマンスをため息がもれるような美しい映像で映し出し、アーティストとしての才能を発揮している。
女優としては、まだ実力よりも知名度先行といえるマドンナだが、監督としてのマドンナは今後の活躍が期待できそうだ。セルフプロデュースの腕は抜群な彼女だけに、今後監督としてどのように進んでいくのかは既に想定済みなのかもしれない。【トライワークス】