『大奥』堺雅人が綱吉・菅野美穂を「妖艶で危険な甘い香りのする人」と絶賛

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『大奥』堺雅人が綱吉・菅野美穂を「妖艶で危険な甘い香りのする人」と絶賛

男女逆転という大胆な発想が話題を呼んだ、よしながふみの人気コミックを実写映画化した『大奥』(10)。続編となる『大奥 永遠 右衛門佐・綱吉篇』(12月22日公開)の完成披露試写会が10月25日に丸の内ピカデリーで開催され、堺雅人、菅野美穂、柄本佑、西田敏行、金子文紀監督が登壇。堺は「男女逆転という突飛な設定ですが、素晴らしいスタッフ、キャストと本格的な時代劇を作りました」と胸を張った。

前作より時代を遡り、大奥成立の物語をテレビドラマ、映画の二部構成で描く続編プロジェクト。10月12日からは連続ドラマ「大奥 誕生 有功・家光篇」の放送がスタートしている。映画版では、ドラマの30年後となる五代将軍・綱吉の時代を舞台に、江戸城に渦巻く野望、悲哀、嫉妬が映し出される。ドラマの主人公・有功と映画の主人公・右衛門佐という、2つの時代の大奥総取締役を一人二役で演じるのが堺だ。堺は「映画の右衛門佐役は、男としてわかりやすい人物。成り上がりたい気持ちや、真っ直ぐな気持ちが多いんです。ドラマの有功役は、包容力を前面に出している人物」と対照的ともいえる役柄を分析した。

五代将軍・徳川綱吉に扮しているのが菅野だ。堺は「菅野さんは本当にお綺麗で。僕は今回、菅野さんという一本の大きな木にまとわりつくツル植物のようなイメージで演じました。とても絡み甲斐のある、妖艶で危険な甘い香りを持った方です」と、初共演となった菅野の魅力を語った。

一方の菅野は、「将軍役をできるのはこの作品だけ。原作を読んで、何という大役だと震え上がってしまいました。綱吉は、天真爛漫だったり、支離滅裂だったりと予測不可能な女性。しっかり原作からパワーをもらって演じました」とコメント。また、“大奥映画史上最長”を記録した御鈴廊下のセットで大勢の男性たちがひれふする姿を目にした感想を、「女王様みたいだなあと思いました」と笑顔で話してくれた。菅野のコメントをにこにこしながら聞いていたのが、綱吉を溺愛する父親役の西田だ。「菅野さんの素晴らしさに圧倒されて、引き込まれるように父親として綱吉を愛することができた。でもね、どちらかというと溺愛、溺れるというのは、西田敏行が菅野美穂さんに感じている思いです」と公開告白して、会場の笑いを誘っていた。

前作に引き続き、メガホンを取った金子文紀監督はこう語った。「自分で自分をほめるくらい良いものができた。『大奥』に共通するテーマは、逆らえない現実を全て受け入れて、そのなかで自分らしさって何なんだろうと葛藤し、もがき苦しんでいるところ。生きる幸せって、満たされるって、どんなことだろうというシンプルな話が色々な形で見えてくると思います」。大胆な設定と絢爛豪華な世界に、人間の奥深いドラマが描かれた本作。ドラマに続き映画と、是非どっぷりと“大奥”の世界に浸ってみてほしい。【取材・文/成田おり枝】

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