『ドリームハウス』スタッフが舞台裏を語る「理想的な家を見つけるのにGoogle Earthを使った」

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『ドリームハウス』スタッフが舞台裏を語る「理想的な家を見つけるのにGoogle Earthを使った」

父親以外の全員が殺害されたといういわくつきの家に引っ越してきた一家に起きる数々の奇妙な出来事を描く『ドリームハウス』(11月23日公開)。本作の舞台裏を明かすスタッフたちのコメントが届いた。

本作でメガホンを取ったのは良質な人間ドラマを生み出すことで知られるジム・シェリダン監督。1989年に『マイ・レフトフット』(90)で監督デビューし、第62回アカデミー監督賞、脚色賞にノミネート。1992年、『父の祈りを』(94)では第44回ベルリン国際映画祭金熊賞を獲得している。

エミリー・デシャネルとズーイー・デシャネルの父で、過去に4度のアカデミー賞候補になった経験を持つカメラマンのキャレブ・デシャネル。ジム・シェリダン監督の即興が好きだというキャレブは、「なかなか脚本どおりには進まなかったよ。撮影が進むごとに変わっていって、それについていくのは大変だった。最初の方の撮影は脚本どおりに進むんだけど、でもだんだんと脚本はただのガイドラインにすぎなくなって、でもそのやり方があったからこそ、俳優陣の演技はより本質的で力強くなっていったと思うんだ」と振り返る。

プロダクションデザイナーのキャロル・スピアは、理想的な家を見つけるのに、Google Earthを使ったといい、「脚本によると、カーブ道に建っている英国植民地時代のデザインの家が理想的だったんだけど、理想に近い家は見つかったものの、完璧なものではなく、家探しには手こずったわ。本当は一から作るのがベストだったけど、時間と予算の関係でロケ地を探し出す他なかったの。最終的には、トロント郊外のオークビルという場所に家を見つけたんだけど、冬でとても寒かったし、家の内観はスタジオにセットを作ったの。家を理想的な家から、廃墟のように変化させるために、壁を茶色と白に塗って、漆喰を削って年季の入った壁が現れるようにしたわ。現場は大掛かりで30、40人の大工さんが働いていたかな」と明かす。

衣装デザインのデルフィーヌ・ホワイトは、ジム・シェリダン監督の即興の考えから、レイチェル・ワイズの設定が途中から変わったことを「ダニエルとはニューヨークのクラブで知り合って、昔はイケてるロックンローラーの設定にしたんだけど、途中から衣装の印象が変わってね。でも、撮影は物語の進行順に進んだから、レイチェルの衣装がごちゃごちゃに入れ違うことは幸いなことに避けられたわ。レイチェルの衣装の変化に気付く観客もいるかもしれないけどね(笑)」と話す。

特殊効果で雪を担当したソフィー・バーティガンは、「雪が物語の流れを表す重要なファクターになっているの。劇中で殺人が起きた時は4月にも関わらず雪がひどく降っているし、ダニエルが自分が何者で、何が起こったのかを理解していく時(ダニエルの幻想が解ける時)は、雪も溶け始めていて。ひどい雪のシーンは木に紙で作った雪を使ったの。地面に積もる雪はふとん綿(綿の布団のようなもの)を使用したり、とにかくあらゆる工夫を凝らしたわ」と苦労したことを語った。

夢のマイホームと家族を守るため、問題に立ち向かう主人公を演じるのはダニエル・クレイグ。実生活でもダニエルの妻で、オスカー女優レイチェル・ワイズが美しい妻を、ナオミ・ワッツが奇怪な出来事の全容を知る謎の隣人を演じている。【Movie Walker】

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