堺雅人&山田孝之「しばらく共演はしたくない」と自虐コメント連発!

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堺雅人&山田孝之「しばらく共演はしたくない」と自虐コメント連発!

劇作家・赤堀雅秋が、自身の戯曲を映画化した『その夜の侍』(11月17日公開)の完成披露プレミア試写会が、11月7日にユナイテッド・シネマ豊洲で開催。堺雅人、山田孝之、新井浩文、綾野剛、谷村美月、田口トモロヲ、赤堀雅秋監督が舞台挨拶に登壇。堺は「映画をご覧になるうちに、歓声のテンションが落ちてくる、いろんな思いを持つ映画になっていると思います」と語ったが、その後も全員が自虐コメント連発で映画をアピールする姿が興味深かった。

『その夜の侍』は、ひき逃げされた妻の復讐を図る男(堺雅人)と、非情で最低人間の犯人(山田孝之)が対峙するという葛藤劇だ。堺は本作への思いをこう語った。「大事なものを失った人間が、弔いへ向けて一歩踏み出す話。それは、ちょうど3月11日の震災の後、僕自身が個人的に抱いた思いでした。何かを弔いたいけど、どう弔って良いのかがわからない。中村の心情が面白いというか、やりたいと思うものでした」。

堺と山田は初共演となったが、堺は「山田くんとは向こう3年分くらいがっつり共演したので、しばらくはしたくないです」と苦笑い。山田も堺について「共演シーンは楽しみでしたが、いざ始まったら嫌で嫌で。最悪、辛い、寒い、もう帰りたいでした」と激白し、「あまりにも濃かったので、映画が終わって、堺さんのCMとかを見ても、うって感じでした」と語り、会場は爆笑。堺も「僕もそう。そのくらい濃密な関係を築けました」と笑顔で語った。

他の登壇陣も自虐的な感想を連発!田口は「踏み絵のような映画。これを楽しめたら何があっても生きていけます」と言うと、綾野も「決して面白い作品ではないですし、何かわかりやすい感動があるわけでもない。ただ、愚かな姿が実直に出ている」と率直な意見を語った。谷村は「山田さんが怖そうで、殴られるシーンの時に」と、ネタバレまでしてしまい、全員が失笑。さらに、新井は「今年、自分の作品が10本公開されますが、10本中の自信があるベスト3に入っています。でも1本、『莫逆家族』が大コケ、『アウトレイジ』(公開中)は入っていますが。自分に自信がある作品は一般受けしにくいってのがわかってきました」と答えた。

最後に堺は「お勧めしにくい映画なんです。否定形から入った方が良い映画かもしれません。ただ、僕は好きです。スタッフもキャストも全員が好きになった映画です」と締めくくった。確かに、全員が「本作に出演できて良かった」と、コメントの最後に訴えていたことも付け加えておきたい。

第36回モントリオール世界映画祭と、第56回ロンドン映画祭にも正式出品された『その夜の侍』。クライマックスで見せる堺と山田の気迫あふれる演技は、まさに侍の一騎打ちを彷彿とさせる。【取材・文/山崎伸子】

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