『砂漠でサーモン・フィッシング』など12月は原作ありきの洋画が目白押し!

映画ニュース

『砂漠でサーモン・フィッシング』など12月は原作ありきの洋画が目白押し!

砂漠で鮭を泳がせろという無理難題を与えられた、しがない水産学者が奮闘しながら人生を信じる力を取り戻す姿を描いた『砂漠でサーモン・フィッシング』(12月8日公開)など、12月に公開する作品は原作ありきの洋画が目白押しだ。

『砂漠でサーモン・フィッシング』をはじめ、『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフがハリポタ卒業後、初主演を務めた、イギリスの傑作ゴシックホラー小説を映画化した『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』(12月1公開)。『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚に当たる物語を3部作として映画化した第1弾『ホビット 思いがけない冒険』(12月14日公開)。フランスで最も権威あるフェミナ賞に輝いたベストセラー小説を映画化した『マリー・アントワネットに別れをつげて』(12月15日公開)。ヴィクトル・ユゴーの小説を基に世界43ヶ国、21ヶ国語で上演されたミュージカルを映画化した『レ・ミゼラブル』(12月21日公開)。人間とヴァンパイアの禁断の恋を描いたベストセラー小説の完結編『トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2』(12月28日公開)と、大作と言われる洋画がずらりと並ぶ。

そんななかで「映画化はありえない」と言われていたのは、60歳の新人作家のデビュー作を映画化した『砂漠でサーモン・フィッシング』だ。原作は40万部を売り上げたベストセラーで、一大ブームを巻き起こした「イエメンで鮭釣りを」。メールやメモ、手紙で構成され、文学的な完成度が高いからこそ映像化が非常に難しいとされていた。しかし、『ギルバート・グレイプ』(94)、『親愛なるきみへ』(11)など、ヒューマンドラマの傑作を生み出してきたラッセ・ハルストレム監督と、『スラムドッグ$ミリオネア』(09)で第81回アカデミー脚本賞を獲得したサイモン・ボーファイが、この原作の魅力を壊すことなく、ユーモラスで心温まるヒューマンドラマに仕上げた。そして、主演に『スター・ウォーズ』シリーズ、『ビッグ・フィッシュ』(04)のユアン・マクレガーが、壮大な夢とは無縁の人生を送ってきた不器用で、冴えない中年男が信じる力を取り戻し人生の素晴らしさに気付く姿を演じている。

映画化すると、原作が損なわれてしまう可能性も十分にあるなか、本作の原作者であるポール・トーディは、「原作は、鮭の旅をジョーンズ博士の信じる心を取り戻す旅のメタファーとして描いている。とても用心深く、合理的で、退屈な科学者から情熱的にプロジェクトに人生を賭けて打ち込む人になるまでが、全部映画の脚本にも活かされている」と、本作に太鼓判を押している。【Movie Walker】

関連作品