アンソニー・ホプキンスが年の差恋愛で尻軽娼婦に恋するハッスルじいさんに!

映画ニュース

アンソニー・ホプキンスが年の差恋愛で尻軽娼婦に恋するハッスルじいさんに!

ロンドンを舞台に、2組の夫婦の恋愛ドタバタ劇が描かれるウディ・アレン監督作『恋のロンドン狂騒曲』(12月1日公開)。本作で出色なのが、自分の娘より若いセクシーなコールガールにうつつを抜かすハッスルじいさん役のアンソニー・ホプキンスだ。名優で、ナイトの称号まで持つアンソニー・ホプキンスが、若さとダイナマイトバディ以外は脳がなさそうな尻軽女に骨抜きにされる姿が、かなり失笑ものである。

2組の夫婦というのは、アンソニー・ホプキンスとジェマ・ジョーンズ扮する結婚40年の熟年夫婦、もう1組は彼らの娘夫婦で、演じるのはナオミ・ワッツとジョシュ・ブローリンだ。本作は夫婦ならではの明け透けな本音や下ネタを散りばめた、極上の喜劇となっている。

アンソニー・ホプキンス扮するアルフィは、いきなり熟年離婚を切り出したかと思えば、ケバケバしいコールガールとの再婚を考える、大騒動の張本人だ。この迷走ぶりを盛り立てるのがコールガール、シャーメイン役のルーシー・パンチ。セックスシンボルという響きの良いキャラクターではなく、画に書いたようなおバカな尻軽女役が絶妙なぐらいにはまっている。

特に、年老いたアルフィが、ある秘薬を飲んで、シャーメインとのHに鼻息を荒らす姿が切なくも可笑しすぎる。早くHしたい彼女がアルフィを急かすが、薬が効くまでベッドインできないというトホホな状態に。いつもながら、ウディ・アレン脚本は、生々しくリアルなエピソードに感心させられる。ルーシーは「彼女はとても官能的でセクシュアルで、頭でなく下半身で考えるタイプよ」と言っているが大いに納得だ。アンソニー・ホプキンスの「彼女は自分の男らしさ、若さを復活させてくれたから、彼は本腰を入れて関係を深めようとしたかっただけなんだ」と、自身が演じたアルフィを擁護するコメントも興味深い。

それにしても、アンソニー・ホプキンスのカメレオン俳優ぶりには改めて脱帽した。『ハンニバル』シリーズのレクター博士、『ニクソン』(95)のニクソン大統領、『恋のロンドン狂騒曲』でのお盛んなハッスルじいさん、そして2013年公開待機作『ヒッチコック』(2013年春公開)では、アルフレッド・ヒッチコックに化けている。名優の活躍ぶりに今後も目が離せない。【文/山崎伸子】

作品情報へ

関連作品