『スター・トレック イントゥ・ダークネス』世界最速フッテージ上映でJ.J.エイブラムス監督「私の大好きな要素が全て詰まった映画」
日本2013年9月(全米2013年5月17日)公開『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の世界最速フッテージ上映が12月4日、興行向けに開催された。J.J.エイブラムス監督自らが来日、主役のカーク船長を演じるクリス・パイン、そして役名は不明だが重要な悪役にキャスティングされたベネディクト・カンバーバッチを従え、プロデューサーのブライアン・バークと共に本作を力熱くアピールした。
J.J.エイブラムス監督の、どこよりも日本の方々に最初に映像を見せたいという、たっての希望で行われた本作フッテージ上映。IMAX版3D映像ということで、「『SUPER 8』(11、J.J.エイブラムス監督)、『ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル』(11、ブライアン・バークのプロデュース)で皆さんもIMAXを体験されていると思いますが、この作品で次のレベルの映像を見せることができます。非常に格好良い映像になっていますよ」と大きな自信を見せた。さらに監督は「たとえスペクタクルな作品でも、登場するキャラクターを感じて、愛してもらわないと、本当に素晴らしさは伝わらない。だから撮る我々も浮き浮きして撮影しましたよ」と語り、本作の内容については、断片的ではあるが、「心がつながった家族のような人々が、恐ろしい、予想もつかない出来事に遭遇し、試練を受ける。その中で自分の愛する人を救うため、究極の状況でどう行動できるか。その辺を本作では見てほしい」と説明してくれた。さらに「この作品は非常にスリリングでクレイジーなアクションもあり、ロマンスもある。私の大好きな要素が全て詰まった映画です。新しい技術を使って、壮大な映像が楽しめます」とアピールした。
9分間のフッテージ上映後には監督、そしてクリス・パイン、ベネディクト・カンバーバッチ、ブライアン・バークも加わって質疑応答が行われた。クリス・パインは前作に引き続きカーク船長を演じることについて、「ユーモア、笑い、アクションなど、あらゆる要素が詰まっている作品で、監督の才能を感じます。さらに、キャラクターのドラマも深く描かれている。私の演じるカークは、前作でキャプテンになる、その位置を獲得する、というところから、本作では壮大な旅に出て、自分が試練を受け、テストされることになります。自己中心的な若者だった男が、自分を捨てて真のリーダーになれるのか試されるのです」と話してくれた。一方、悪役を演じるベネディクト・カンバーバッチは、この役に決まったことについて、「ものすごい喜びで、でも数秒で恐れを感じました。私は前作の大ファンで、二作目はもっと大作になる、期待されているということがわかっているからです。それでちょっと恐ろしくなりました。この悪役を演じるということで、心浮き浮きしながらも、ストーリーの旅立ちの中に自分が置かれるということで色々な感情がわき上がりました。オーディションが終わってから、確か一年前のお正月ぐらいだったと思いますが、この役を仰せつかり、このメンバーの中に加わりましたが、何も障害はなく、すんなり中に入ることができました」と語ってくれた。また、冷酷な悪役ということで役作りへの苦労や注意したことについては「Cold Heart」と答えて笑いを取った後、「彼には心がちゃんとあると思います。彼の行動の中には意図、理由があるからこそ、ああいうふうになっているのではないかな。単純に白黒、善悪で分けられないキャラです。このキャラを演じるうえで幅を持たせることができたと思います。J.J.エイブラムスの作品を演じる醍醐味、喜びがありました。完璧な悪役とは違う、というところを、見て、感じてもらえると嬉しいです。そして素晴らしいキャスト、スクリプトに助けられました」と答えてくれた。
最後にJ.J.エイブラムスから、「子供の頃、こういう映画がやりたかった、という映画になっています。スーパーヒーローで、そのキャラはクレイジーな出来事に巻き込まれていくが、それは現実の人間社会でも考えられることです。そして、ストーリーがスリルに満ちてわくわくするものです。この作品を私の大好きな日本で見せられるということを光栄に思っています」と、日本のファンにメッセージを贈ってくれた。
前作『スター・トレック』(09)は、残念ながら日本での興行成績は芳しいものではなかったが、J.J.エイブラムス監督の気合いのこもったプレゼンテーションで始動した本作『スター・トレック イントゥ・ダークネス』。その圧倒的なスケールと映像で見せる本作は、J.J.エイブラムス監督が「私の大好きな要素が全て詰まった映画」と言うだけあって、その期待度も大きく高まるばかりだ。2013年9月の公開を楽しみにしたい。【Movie Walker】