向井理、夫婦役で初共演の宮崎あおいは「行き過ぎなくらい真っ直ぐな人」
宮崎あおいと向井理が夫婦役で初共演する映画『きいろいゾウ』(2013年2月2日公開)の完成披露試写会が12月11日、新宿ピカデリーで開催され、宮崎、向井と共に、濱田龍臣、浅見姫香、柄本明、松原智恵子、原作の西加奈子、廣木隆一監督が舞台挨拶に登壇。宮崎と向井は「居心地が良かった」とお互いの印象を語り、夫婦役として相思相愛ぶりを見せつけた。
西加奈子のロングセラーとなった同名小説を映画化する本作。出会ってすぐに結婚したツマとムコを主人公に、傷つき苦しみながらも、お互いを見つめ合うことによって夫婦になっていく姿を描き出す。宮崎が演じるのは、犬や花の声が聞こえる不思議な力を持つ女性ツマ。向井が、背中に大きな鳥のタトゥーのある売れない作家、ムコ役を演じる。かねてより原作のファンだったと口をそろえた宮崎と向井。宮崎は「『きいろいゾウ』が来てくれたと思って、すごく嬉しくて。ツマを演じられる年齢になったんだなと。ツマという役に出会えて幸せです」と語ると、向井も「だいぶ前から原作を読んでいて、大好きな作品でした。ビジュアルのイメージは多分違うので、雰囲気を醸し出すことを大事にしました」と、作品への愛情を教えてくれた。
本作が初共演となった宮崎と向井。宮崎は「ツマとムコの距離感が自然と生まれていた」と微笑み、向井も「不思議なんですが、特にこうしようと話さなくても、同じ空間にいて、変に気を遣わずにすんだ。顔合わせの時に、(宮崎さんは)前髪をパッツンと切ってきて、ずっとツマとしてい続けてくれたんです」と顔を見合わせるなど、初共演ながら、自然な雰囲気の中で撮影が進んだことを明かした。さらに向井は、「一緒にいて面白かったですね。とても芯の強い方。普段からチラチラみていたんですが、ちょっと行き過ぎなくらい真っ直ぐな人。それがまたツマとオーバーラップした」と宮崎の印象を語り、宮崎も照れ笑いを浮かべていた。
監督は、『ヴァイブレータ』(03)、『余命1ヶ月の花嫁』(09)など、男女の様々な愛の形を描いてきた廣木隆一。「とても静かな現場で、ストレスがなく撮影ができた。ツマさんとムコさんのおうちにお邪魔して撮影しているような感じで。ファンタジーな部分とリアルな心情がうまく出せれば良いなと思った」とコメント。また、原作の西は「キャストを聞いた時に美男美女でどうなることかと思ったけれど、映画を見たら、皆さんの世界観ができ上がっていて、没頭して見た。小説でも漫画でもない、映画でしかできないことをしている」と、完成作に太鼓判を押した。
最後に宮崎が「夫婦たちが大事な人と向き合おうとする映画。心が痛くなったり、悲しくなったり、大事な人と向き合おうとするということは、大変な瞬間もたくさんあるけれど、頑張ってそれを乗り越えようとする人たちの映画です」と、自信作をアピールした。主題歌はゴスペラーズがツマをイメージして書き下ろした新曲「氷の花」。温かで心に染みる楽曲も、ドラマティックなラブストーリーを盛り上げてくれそうだ。【取材・文/成田おり枝】