ビキニ、ミニスカートなど20世紀ファッション界をリードしたカリスマ編集長って?

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ビキニ、ミニスカートなど20世紀ファッション界をリードしたカリスマ編集長って?

世界各国で発行されるファッション誌のなかでも圧倒的なセンスの高さで知られる「ヴォーグ」。同誌で編集長を務めた伝説のファッションエディター、ダイアナ・ヴリーランドに迫ったドキュメンタリー映画『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』が12月22日(土)より公開される。

日本では縁の下の力持ち的存在のファッション誌編集者だが、海外では流行を作り出すクリエイターとして尊敬され、パリコレなどでは各ブランドのランウェイと同じくらい、彼女たちのファッションにも多くの注目が集まるほどの存在だ。その代表格が『プラダを着た悪魔』(06)でメリル・ストリープが演じた鬼編集長のモデルと噂されている「ヴォーグ」のカリスマ編集長アナ・ウィンターだ。そんな彼女の大先輩でもあるダイアナは、世界で最も古い歴史を持つファッション誌「ハーパース・バザー」で1940年から1950年代にカリスマエディターとして25年間にわたって活躍、同誌の黄金期を築き上げた。

その後、ライバル誌である「ヴォーグ」に移籍し、編集長として今なお輝く才能を次々と世に送り出したことでも有名だ。まだ保守的だった時代にビキニを誌面に取り上げ、“ミニの女王”と呼ばれたツィギーをロンドンから呼び寄せて世界中にミニスカートブームを起こし、後に大女優となったローレン・バコールを無名時代にモデルとして登用するという、時代の先を読むことができる目の持ち主でもある彼女は、シンガーとして大ブレイクしたシェールを見出し、デビューしたばかりのミック・ジャガーのセクシーな魅力を世界的に知らしめ、バーブラ・ストライサンドをスーパースターの座に導いた。

その活躍ぶりは映画業界からも注目を集め、オードリー・ヘプバーン主演のミュージカル映画『パリの恋人』(57)に登場するニューヨークのファッション雑誌クォリティ・マガジンの編集長やウィリアム・クライン監督作『ポリー・マグーお前は誰だ』(66)に登場する編集長のモデルにもなっているのだ。

ベル・エポックのパリ、1940年代の戦後ファッションの幕開け、消費文化が花開いた1950年代、ロンドンから始まる1960年代のファッション革命、オートクチュールからプレタポルテ、ミニスカート、ビキニ、そしてモードとしてのジーンズの登場。全てを見てきたファッション界の女帝の人生を追うだけでなく、時代を切り拓いたイノベーターの仕事の流儀にも触れられる本作。ファッションフリークを自認する人はもちろん、仕事に対するモチベーションが下がってきたと感じている人にこそ見てもらいたい、エネルギッシュかつパワフルな作品だ。【トライワークス】

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