第70回ゴールデングローブ賞の視聴率は女子力で17%アップ!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
第70回ゴールデングローブ賞の視聴率は女子力で17%アップ!

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第70回ゴールデングローブ賞の視聴率は女子力で17%アップ!

現地時間1月13日20時からビバリー・ヒルトン・ホテルで開催された第70回ゴールデングローブ賞の視聴者数は1970万人で、視聴率は1680万人だった昨年比で17%アップ、最も重要な視聴者層である18歳から49歳までに限ると、昨年の5から6.8ポイントに上昇、28%アップとなったことがわかった。

この数字は、調査会社ニールセンのリサーチ結果をハリウッド・レポーター誌などの各メディアが報じたもので、1970万人という数字は、ゴールデングローブ賞としては、トリロジー最終章の『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』(03)がドラマ部門で作品賞を受賞した2004年1月25日に開催された際の、2680万人に次ぐ快挙となった。

3年ぶりに、毒舌で知られるイギリス人コメディアンのリッキー・ジャーヴェイスから、米人気テレビ番組「サタデーナイト・ライブ」の元ホストだったアメリカ人のティナ・フェイとエイミー・ポーラーという、ふたりの女性コメディアンに代わったことで、視聴率の動向が注目されていたが、その成果が見事に現れたようだ。

「リッキーの時は、ゲストやノミネートされた俳優たちが、自分たちに矛先が向くのではないかとびくびくしているようなところがありました。しかし、ティナとエミリーのジョークは、概ね許される範囲のもので、観客も視聴者も最初から最後まで安心して楽しくこの賞に参加することができた」というのが多くの人々の印象で、Usウィークリー誌が受賞後に行ったアンケートでも、約1000人の回答者のうちの94%がティナとエイミーの司会を評価しており、「普通すぎてつまらなかった」などと否定的な回答をした人たちは、わずか5%に留まった。

リッキーは下ネタや、サラジェシカ・パーカー、マドンナなどに対して、女性の加齢を指摘して笑いのネタにしていたこともあり、特に女性に不快感を与える発言が多かったと言われている。しかし、新たに女性の会長を迎えたハリウッド外国人記者クラブは、司会者に女性ふたりを迎えたこと、『ハート・ロッカー』(09)で女性初となる第82回アカデミー監督賞を受賞したキャスリン・ビグローが『ゼロ・ダーク・サーティ』(2月15日公開)で再びノミネートされていたことなども手伝って、女性視聴者にとって心地良い環境が整ったという見方もある。

また今年は、『アバター』(09)のような大ヒット作や子供向けのアニメ作品に爆発的なヒット作がない代わりに、作品賞に選ばれた10本のうち、この時点で興行収入がほぼ100万ドルに達している作品が半分もあったことも要因の一つに挙げられている(通常はアカデミー賞ノミネートが発表されてから突然上がるケースや、20万ドルに満たない作品もある)。また、2012年にオバマ大統領が再選され、国民が政治により強い関心を持った年でもあり、そのなかで娯楽映画ではない『リンカーン』(4月19日公開)、『アルゴ』(12)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(こちらはまだ拡大公開が始まったばかり)など、政治にまつわるシリアスな大人向け作品がヒットしていることも、18歳から49歳までの大人の視聴率を押し上げた要因ではないかと言われている。

さらに、ヒットメーカーのアデルとテイラー・スウィフトが歌曲賞に選ばれていることも、新たな視聴者を取り込んだ一助を担っていると言われているが、その効果も未知数で、様々な要因が功を奏したようだ。

ゴールデングローブ賞はテレビ部門の受賞が半分を占めるため、アカデミー賞と単純比較はできない。しかし、上記の要因が視聴率を押し上げているとすれば、ベン・アフレック監督とキャスリン・ビグロー監督が不在とはいえ、アカデミー賞の視聴率も上がるはずで、現地時間2月24日(日)に開催される同授賞式の視聴率にも、大いに注目が集まっている。【NY在住/JUNKO】

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