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3Dプリンタも駆使!最新技術でストップモーションアニメが生まれ変わる!?

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3Dプリンタも駆使!最新技術でストップモーションアニメが生まれ変わる!?

近年、話題となっている3Dプリンタをご存じだろうか?3DCGソフトで作られたデータを実際の立体物に成形できるという優れもので、これをがあれば、自分がデザインしたフィギュアやプラモデルを自宅で大量生産することも夢ではないのだ。そんな最新鋭の機材を導入して制作されたのが、3月29日(金)から公開される『パラノーマン ブライス・ホローの謎』というストップモーションアニメだ。

同作を手掛けたのは『ティム・バートンのコープスブライド』(05)などで知られるストップモーションアニメスタジオ、ライカ。2005年、アメリカ・オレゴン州で産声をあげた同スタジオの代表作『コララインとボタンの魔女』(09)では、お面のように様々な表情の顔面パーツを入れ替えることで人形に豊かな表情をつけるリプレースメントシステムという革新的アイデアを開発。「良い作品を作るために、どんどん新しいことにチャレンジしていきたい」という姿勢が高く評価され、同作においてはアニメ界のアカデミー賞とも呼ばれる2009年のアニー賞で作品賞を含む8部門、同年のゴールデングローブ賞ではアニメ映画賞にノミネートされた。

そんな彼らが『パラノーマン ブライス・ホローの謎』において、3Dプリンタという最新鋭テクノロジーを駆使して制作したのが、主人公ノーマンをはじめとするキャラクターたちの表情。手彫りで作られた基本モデルを高解像度の立体スキャナーで立体データ化し、アニメーターによる細かな表情チェックの後に、3Dプリンターで立体物として出力するという段階を経て完成したパーツは、主人公ノーマンだけでも約8800個、150万種類の表情を表しているのだ。

表情や手足の動きを変えた人形を1コマずつ撮影するというスタンダードな方法と3Dプリンタや3DCGソフトといった最先端技術を巧みに融合させていくライカのもう一つの魅力は、ちょっとダークな雰囲気をたたえた物語。子供が主人公のファンタジックアドベンチャーにも関わらず、抑えめの照明や渋い色彩、人の悪意などのネガティブな側面もしっかり描くなど大人も満足できる深いストーリーで、幅広い世代から支持されているのだ。

3DCG全盛のアメリカアニメ映画界のなかでも、ストップモーションアニメが持つ温かみを愛し続けるスタッフが顔をそろえるライカ。同スタジオが生み出した、人形とは思えないキャラクターたちが繰り広げる冒険と成長の物語に注目してほしい。【トライワークス】

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