批判も多い洋画吹替版問題、ファン納得のパッケージが登場

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批判も多い洋画吹替版問題、ファン納得のパッケージが登場

洋画を見るなら字幕に限る、というファンも多いが、その一方で根強い人気を誇るのが吹替版だ。俳優の演技と同時に、それに合わせた声優の職人芸も楽しめる吹替版は、よりツウ好みの鑑賞法と言えるのかもしれない。だが、最近の洋画吹替業界における、とある傾向にファンは苛立ちを隠せずにいる。

その傾向とは、経験の少ないタレントやアイドルを起用することだ。素人ですら首を傾げたくなるレベルの低い演技も多く、演技以前に、明らかな大人の事情を感じさせるキャスティングが多々見受けられるのだ。話題性重視のあまり、吹替版本来の魅力が失われてしまう事態に、ファンは頭を抱えるばかりだ。

ところが、そんな吹替ファンも納得のブルーレイ&DVDが登場したと話題となっているのが、4月18日(木)に発売される『コマンドー 日本語吹替完全版 コレクターズBOX』だ。アーノルド・シュワルツェネッガーが大活躍する『コマンドー』(86)だが、今回の商品には、玄田哲章がシュワちゃんを担当したテレビ朝日「日曜洋画劇場」版と、屋良有作がシュワちゃんを担当したTBS「ザ・ロードショー」版の吹替音声をダブル収録。さらに、両放映で使用された吹替台本が2冊封入される豪華仕様となっており、吹替ファンには堪らない逸品になっている。

このファンのツボを見事に押さえた商品に対する反応も上々で、限定発売数は当初の5000セットから1万セットへ変更されるほど。シュワルツェネッガーをはじめ、シルヴェスター・スタローンやジャッキー・チェン、スティーヴン・セガールなどは特にテレビ放映時のイメージが強く印象付けられているだけに、企画意図とファンの求めるものがぴったり合致したと言えるだろう。

今回、20世紀フォックス・ホームエンターテイメント内の新レーベル「吹替の帝王」第1弾作品として発売される『コマンドー』。吹替版のクオリティーが二の次となっているような洋画吹替の風潮のなか、こういった作品への愛が感じられるパッケージソフトのリリースは嬉しい限りだ。同レーベルの今後にも注目しておきたい。【トライワークス】

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