実は医療器具!? あのオトナのオモチャの誕生秘話が明らかに
今、とある大人の女性向け商品がネットを中心に話題を呼んでいる。それは、女性用に開発されたアダルトグッズ「iroha(イロハ)」。福山雅治ら多くの男性芸能人が取り上げたことで知られる「TENGA(テンガ)」の女性向け商品だ。まだまだ男性にくらべると大っぴらには語ることのできない女性の“欲望”に対し「もっと積極的に受け入れ、楽しもう」と語りかけるそのアイテムは、和菓子を思わせる美しいフォルムも相まって、多くの女性たちの注目を集めている。そして、そんな女性向けアダルトグッズの元祖とも呼べる電動バイブレーターの誕生秘話に迫った映画『ヒステリア』(4月20日公開)にも、熱い視線が注がれているのだ。
まだ医学が未成熟だった時代のヨーロッパでは、すぐに興奮したり感情がコントロールできなくなる状態が、女性に特有の病気・症状だと考えられていた。「ヒステリー」という言葉の語源が、古代ギリシア語の「子宮」だというのは有名な話だ。そんな、「すぐに泣く」「異常性欲」「不感症」「うつ病」「心配症」という女性特有の病気・ヒステリーが蔓延する19世紀ロンドンが本作の舞台。映画では、ヒステリー症状に悩む女性患者のために行っていた“特別なマッサージ”によって腱鞘炎になってしまったイケメン男性医師が、親友の発明家とともに電動マッサージ器を開発するまでの過程を、男性医師と彼の師匠の娘との恋を絡めて描いている。
ターニャ・ウェクスラー監督のみずみずしい感性と、若手英国人俳優ヒュー・ダンシーの知的で清潔感あふれるルックスによって、いかがわしい目で見られがちな電動バイブレーターに隠された驚きと赤面のエピソードを終始さわやかなムードで綴ることに成功している。
電動バイブレーターが当時、初めて特許を得た医療電気製品のひとつであったという事実など目からウロコのエピソードなども盛り込まれた、ちょっぴりエッチでマジメなヒューマンドラマの本作。女性はもちろん男性にも「心も体も満たす本当の幸せ」を探るヒントを与えてくれるはずだ。【トライワークス】