吉高由里子のお嬢様ファッションに胸キュン
「悪人」の吉田修一の同名小説を、高良健吾主演で映像化した『横道世之介』(2月23日公開)で、ヒロインを演じた吉高由里子に注目!彼女が演じるのは、ちょっぴり風変わりでマイペースな青年・世之介に恋をする与謝野祥子役だが、とびきりの箱入り娘のお嬢様なのだ。もちろん、ファッションもフリフリレースをあしらったワンピースや上品な色合いのコートなど、純お嬢様系で、吉高はそれを実にチャーミングに着こなしている。
監督は『キツツキと雨』(12)の沖田修一。1980年代を舞台に、世之介と周囲の人たちの青春と、その16年後を温かい目線で描くヒューマンストーリーだ。高良扮するダサくてイケていない世之介と、笑い上戸でちょっと天然系の祥子とのやりとりは、どこかおかしいが、でも実に微笑ましい。ふたりの間に流れる緩やかな空気感にも癒されること間違いなしだ。
祥子のファッションは、清楚で清潔感にあふれるものが多い。帽子はつばの広いハット、ワンピースはブリッコすれすれの愛らしいものや、パフスリーブのものなど、大人が見て好感度大のワードローブばかり。何と劇中ではラブリーな水着姿も披露している!常ににこやかに笑顔を絶やさず、まさに天使のようなヒロインなのだが、吉高が演じるとコメディエンヌとしてのおちゃめさが加わり、魅力が一気に倍増する。
そして16年後、祥子の人生を見て、色々なことが走馬灯のように駆け巡る。世之介と祥子が過ごした1980年代がキラキラと輝いているからこそ、よりいっそう見終わった後の余韻に胸が締め付けられる。高良健吾と吉高百里子という俳優の勢いと、沖田修一監督の手腕を改めて実感させられる快作だ。【文/山崎伸子】
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