エグすぎ!2万5000lの血と300lの嘔吐物が噴出
『スパイダーマン』シリーズの監督として、今やハリウッドを代表する大監督となったサム・ライミ。そんな彼の名を映画ファンに知らしめたのが、スプラッターホラーブームのきっかけとなった『死霊のはらわた』(81)だ。そんな同作が、ライミ監督とオリジナル版の主人公アッシュ役を演じたブルース・キャンベルのプロデュースによりリメイクされ、5月3日(金)から公開される。
とある森の廃屋にやってきた5人の男女が、その家で死者の書なる奇怪な本を発見。そこに書かれていた呪文を唱えてしまったことから死霊をよみがえらせてしまい、一人また一人と命を落としていくというのが、オリジナル版ストーリーだ。続編となる『死霊のはらわたII』(87)から続く、コミカルなテイストばかりが印象に強く残る本シリーズだが、第1作はチープな作りではあるものの、肉体損壊なんてレベルじゃない流血ドバドバの本格的なホラー映画だった。
リメイクというと、どうしてもオリジナルより劣るのでは?と思ってしまうが、その点はご安心を。低予算ゆえ、目を覆うほどではなかった切断シーンがかなりリアルなエグいものになっており、圧倒的な迫力になっているのだ。一部の作品を除いて、近年は殺傷の直接的な描写が遠慮がちになっていたが、そんな潮流に逆らうかのように、死霊にとりつかれた腕を自分で切断するシーンが延々と映し出されるのだ。
また、本作がオリジナルと比べ優れているのは、森で死者の書を見つけ、死霊に襲われるという基本的な設定はそのままに、登場人物5人の関係性をメインとなるデビッドとミア(一番最初に死霊にとりつかれる)の兄妹の絆に据え、訪れる家も彼らが以前に住んでいた場所という設定に変えたことだろう。長年、家を離れ、母親の死に目にも会えなかったような兄。そんな兄への不信感と寂しさから妹が薬物依存に陥っていくという現代的なテーマを含んだ人間ドラマとしての面白さも加味されている。
ウルグアイの新鋭フェデ・アルバレス監督がオリジナル版の良さを存分に生かしつつ製作した本作では、実に2万5000lの血と300lの嘔吐物が用意されたという。ホラー映画史に名を残す一作となるであろう今回の『死霊のはらわた』を是非劇場で見てもらいたい。【トライワークス】