トリアー監督『Nymphomaniac』本番シーンの下半身は吹替だった

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トリアー監督『Nymphomaniac』本番シーンの下半身は吹替だった

「映画中のセックスシーンは全て本番になる」とラース・フォン・トリアー監督が豪語していた『Nymphomaniac』だが、本番シーンの下半身は俳優たちのものではなく、全てボディダブルの映像を使用していることが明らかになった。

一人の女性の子供時代から中年になるまでのセックスライフをシャルロット・ゲンズブール主演で描いた本作は、ハードコアバージョンと一般劇場公開バージョンが製作されると発表されていた。ユマ・サーマン、シャイア・ラブーフ、クリスチャン・スレーターなども出演しており、シャイア・ラブーフなどは、自分が恋人とセックスしている映像をトリアー監督に送って役を獲得したと語っていた。

しかし、どうやら俳優たちはセックスをする演技だけで良かったようで、本番を行うのはボディダブルの仕事だったようだ。

「俳優たちがセックスするふりをしている映像を撮影し、本物のセックスはボディダブルの人々が担当しました。そして、その2つの映像をコンピューターで合成します。だから、腰から上はスターたちのものですが、腰から下はボディダブルの体です」と、同作プロデューサーのルイーズ・ヴェスがHollywood Reporterに明かしている。

こうしたセックスシーンのCG合成作業のため、同作の完成は遅れており、5月26日に閉幕した第66回カンヌ国際映画祭で披露される予定だったが、結局は間に合わず、クリスマスにコペンハーゲンでプレミアが行われることになりそうだという。

トリアー監督は、2011年の第64回カンヌ国際映画祭で『メランコリア』(11)を披露した際、「ヒトラーに同感できる」と発言したことで、同映画祭から追放処分を受けていた。しかし、4月になって同映画祭の作品選定を担う総合代表ティエリー・フレモーが、「トリアー監督がカンヌに戻ってくるつもりなら歓迎する」と発表していた。【UK在住/ブレイディみかこ】

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