『G.I.ジョー バック2リベンジ』の監督がブルース・ウィリス演出で困ったことって?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『G.I.ジョー バック2リベンジ』の監督がブルース・ウィリス演出で困ったことって?

インタビュー

『G.I.ジョー バック2リベンジ』の監督がブルース・ウィリス演出で困ったことって?

全世界で興収3億ドルのメガヒットを記録したアクション映画の続編『G.I.ジョー バック2リベンジ』(6月8日公開)のメガホンを取ったジョン・M・チュウ監督。彼は『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』(11)などのダンス映画で注目された逸材だが、何とアクション映画を撮ったのは本作が初となった。とはいえ、全米ではイースター公開作品興収歴代2位となるNo.1ヒットをマーク!来日したジョン・M・チュウ監督にインタビューし、興味深い撮影秘話を聞いた。

本作は、国際機密部隊G.I.ジョーと悪の組織コブラとの戦いを描く、アクション大作第2弾だ。続投のチャニング・テイタムやイ・ビョンホンの他、初代G.I.ジョーと呼ばれる伝説の司令官役にブルース・ウィリスを迎えたことでも話題となった。世界が注目する続編だけに、プレッシャーも相当あったのではないか?「もちろん、プレッシャーは感じたけど、自分には失うものが何もなかった。だから自由を感じ、限界までどんどんやって頑張ろうという気持ちになれた。本作を監督できるだけでもラッキーなことだしね」。

ブルース・ウィリスは今やアクションの生ける伝説ともいうべきポジションのスターとなったが、彼の意外なエピソードについても聞いてみた。「最初は怖いかなと思っていたら、実際は本当に素晴らしい方だった。ただ、すごく声がソフトなので、録音のスタッフから『ちょっと声が小さすぎない?』と言われて。でも、さすがに誰も彼に『声を大きく』とは言えなくて(苦笑)。とりあえず、そのまま収録をして、後でそれを聞いてみたら、結果として素晴らしいものになっていた。彼は自分のやっていることを熟知している人だね。また、劇中で観客が大受けしていた彼のジョークのほとんどは、ブルースが発想したものだ。そういう意味で、本当に素晴らしいコラボレーションだった」。

また、アクション映画初監督とは思えないほど、アクションのスケールが型破りにすごい。特に大雪山で繰り広げられる、ワイヤーを駆使した決死の忍者アクションはアドレナリン噴出ものだ。あのシーンについて聞くと「実は、脚本上では2ページしかなかったんだ」と答える監督だが、どんなふうにアプローチをしていったのだろうか?

「まず、ハズブロにお願いして、忍者のフィギュアを送ってもらい、それを使ってプレゼンをしたんだ。椅子やテーブルのあちこちにフィギュアを置いて、具体的にここからこう飛んで、ここへ行くって感じで、僕がやりたいアクションを説明したよ。そこには、登山の専門家に、アクションコーディネーター、CGの担当者も同席していて、ここからここまでなら実際に撮れるとか、どう工夫すべきかとか、いろんな話し合いをしたんだ。それを受けて、ストーリーボードや絵コンテを書き、色々と調整をして、2ヶ月間で撮り終えることができたよ」。

もともと監督はG.I.ジョーの大ファンだったという。「小さい頃から、G.I.ジョーのフィギュアで遊んでいたよ。僕は5人兄弟の末っ子で、とにかくおもちゃはたくさんあったから。フィギュアを使い、裏庭や砂場、家の中などで、いろんなストーリーを思い描いて楽しんでいたよ」。

ということは、本作の監督をしたことで、夢が叶ったということか!「そうかもしれない」と微笑む監督。「子供の頃から、何時間も夢中になって遊んでいたんだけど、そういう経験があってこそ、今の自分があると思う。願望が満たされたよ。しかも、実写版映画ということで、ブルース・ウィリスやドウェイン・ジョンソン、イ・ビョンホンなどのアクションスターたちを使ってやれたんだ。何だかシュールな気持ちだよ」。

大きな瞳をキラキラと輝かせながら、G.I.ジョーについて語るジョン・M・チュウ監督は、まさに少年のような人だった。全世界でスーパーヒットとなった『G.I.ジョー バック2リベンジ』も、子供の頃に彼が胸を躍らせた遊びの延長上にあると知って、実に微笑ましく感じた。【取材・文/山崎伸子】

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