星野源「この場に来られることが当たり前ではない」と初主演映画に特別な思い
星野源の初主演映画『箱入り息子の恋』の初日舞台挨拶が6月8日にテアトル新宿で開催され、星野をはじめ、夏帆、平泉成、森山良子、大杉漣、黒木瞳、市井昌秀監督が登壇。2012年末にくも膜下出血と診断され、3月に復帰を果たした星野は「このような場に帰って来られることが当たり前のことではないということが、身に染みてよくわかる。本当に嬉しいです」と、満員の会場を前に心を込めて語った。
本作は、真面目一徹で生きてきた男・健太郎が、恋に落ちて爆発的に変わっていく姿をユーモラスかつ感動的に描く熱血ラブストーリーだ。星野と夏帆が、一途な恋に突き進む恋人同士を演じている。この日は、金屏風を前にメンバーが登場。星野は「夏帆さんと結婚することになりました。うちの妻です」と夏帆を紹介、会場の笑いを誘っていた。演じた役柄については、「あまり彼に共感できる部分はなかった」と話しながらも、「すごく彼は素直なんです。周りにはバカにされているけれど、自分の筋や理想があって格好良い。色々な障害がありますが、突き進んでいくところが大好きで。友達にいたら絶対に大好きになったと思う」と、すっかり健太郎役に惚れこんだ様子だ。
一方、ヒロイン・奈穂子役に扮した夏帆は「奈穂子みたいに自分が思っていることを素直に伝えられるのは、良いなと思った。私にはなかなかできない」と照れ笑い。好きなシーンを聞かれると、「吉野家のシーンは良かったですね。でも、デートのシーンもお見合いのシーンも、どのシーンも好きです」と星野と顔を見合わせるなど、ほのぼのとした空気が伝わってきた。
夏帆の両親に扮したのが、大杉漣と黒木瞳だ。黒木は「人が人を好きになるのは魔法にかかったような素敵な瞬間。自身の出会いから結婚までをつい懐かしんでしまった」とコメント。また、黒木が大杉の頬を叩くシーンがあったといい、こんな撮影秘話も教えてくれた。「私はほっぺたを叩くシーンって、これまでもよくあるんです。でも今回は素晴らしく入りました」。すると大杉も「『思い切ってやってください』と言ったのが間違いだった。すごい音がしましたよね。星が7つくらい見えました」と明かし、会場を笑いの渦に巻き込んでいた。
それぞれが家族のような絆を育んだことが伺えた初日舞台挨拶。最後には夏帆が会場にブーケを投げ入れて、幸せのプレゼント。笑顔に満ちた舞台挨拶を締めくくった。【取材・文/成田おり枝】