『ハングオーバー!!! 最後の反省会』そしてシリーズを見直したくなる独占インタビュー!PART1
世界中で大ヒットを記録したコメディシリーズ第3弾『ハングオーバー!!! 最後の反省会』(公開中)。いよいよこれが見納めか。アランを施設に入れようとフィルやスチュ、ダガが車に同乗し、走り出すも、例によってまたまたトラブルに巻き込まれてしまう。その原因はやはりあの男、チャウだった。既に鑑賞された方も多いだろうが、今回届いたフィル役ブラッドリー・クーパー、スチュ役エド・ヘルムズ、そしてアラン役ザック・ガリフィアナキスのインタビューを読めば、また本作を、そしてシリーズを見直したくなるかもしれない。
――1作目が自分のキャリアを変えたと気付いた瞬間がありましたか?
エド「確かにあったね。アメリカでのプレミアを終えて、僕たちはロンドンにプロモーションで向かった。そして、みんなで夕食のテーブルを囲んでいた時に、アメリカのオープニング興収の情報が入ってきたんだ。そして、色々言われたわけだ。『何が起きてるかわかってるか?これは君らの人生を変えるぞ』みたいに。あの夕食の席で、僕らはみんなヘッドライトで凍りついた鹿みたいな状態だったと思う。だから、みんなが一緒で本当にありがたかったよ。そうでなければ僕らは正気を失っていたかも。あの時が僕たちの人生に何かクレイジーなことが起きていると感じた瞬間だね」
――ハングオーバー3部作が終わった今、皆さんそれぞれが1から3作目までお気に入りの思い出はありますか?
ザック「あれは1作目の撮影中のある夜か昼間、みんな同じ意見だと思うけど、僕の人生において、仕事であれほど笑ったことはなかった。昼間だね、1作目の撮影中の。年配の紳士が登場するシーンを覚えているかな。病院で彼は裸だった。僕はクスクス笑いがとにかく止まらず、みんなもそうだった。あの時は僕の全身に根拠のない高揚感がみなぎっていたよ。それぐらい笑っていたんだ。笑いすぎてセットから出なきゃならなかった。あれは2008年の大統領選挙の結果がわかった日でもあったので、本当に嬉しい一日で、一生忘れられない日になったよ。あの日、僕の体は笑いすぎたために幸福感で輝いていた。そしてあの夜に起きたことも。本当に特別な夜だったよ」
――1作目が始まった時、自分のキャラクターが最終的にどうなったら良いと考えましたか?
ザック「むしろ映画が最終的にどうなったら良いな、という方かな。個々のキャラクターよりもストーリーの方をみんな考えていたと思うよ。そこがこの映画のすごく特別なところなんだ。チームの努力、撮影にせよ、そのための諸々の手配にせよ、毎日のシーンへの取り組みにせよ、だと強く感じるものがある。本当に僕たち4人で1つって感じだね。みんながアイデアを出し合い、共有しているし、自分のものだと主張することは決してないんだ。よく共同作業的な経験とか言われるけど、この映画では本当にそれだと思うね。それは1作目で始まり、この3作目ではさらに効率の良い形で現れている。個人的に言うと、アランというのは、この数十年の映画でも、とりわけすばらしいコメディキャラクターだと思っている。今回、この男がどんな奴なのか、どうすればこの男を少しでもまともにできるのかを見極めようとすることを中心にストーリーが展開するわけだけど、それを選んだのがトッド・フィリップス監督のすごさであり、観客もそれを見たいと思ってくれていると嬉しいね。僕のカンでは、そうだと思う。今回は記憶をなくす夜はなく、泥酔して悲惨な状況を引き起こすこともない。これは本当に、友達の面倒を見ようぜ、という話なんだ」
――3作のどれかの撮影中に「こんなの信じられない。俺は何やってんだ?」と思った瞬間はありましたか?
ブラッドリー「その質問に、イエス、ノーではなく、どれだったっけと考えければならないこと自体が傑作だよね。一番変てこだったのは何だっけ?クローゼットに赤ちゃんがいた時?猿の方か?いや、あれじゃない。首を切断されたキリン?」
ザック「何があろうと、僕らにとってはほとんど奇妙じゃなくなっていたね。そういうことを聞いても、もう変だとさえ思わないんだ。『まあ映画の中の話だからな』みたいな。そういうシーンを撮影した。それだけのこと。仕事だ。奇妙な意味で、奇妙には思えない」
――多くの点でアランはこの映画の中心ですね。これまでは彼が社会でうまくやれないところに人々は応援したくなりましたが、この映画ではアランが問題児であることを強調しています。あなたは、これまでとは違うアプローチで演じましたか?
ザック「何だか決まりが悪いけど、僕は演技でアプローチは別にしないんだよ。演じる時に物事を考えすぎないんだ。そういう人は結構多いと思うけど(笑)。でも、アランに関しては、前2作では彼はすごく適当で、どんなことでもポンポン言っていた。彼に理屈は関係ないんだ。その場で効果的なセリフを言うのが彼の役割だった。でもこの映画では、いくつかのこと、父親の死やハイウェーでの悲劇、が彼に起きるので、脚本に書かれているそういう点を考え、彼の脆さが感じ取れるように自分の頭の中で彼の行動をたどらないといけない。僕はコメディに感傷を絡めるのが面白いんだ。コメディを効果的にする要素だと思う。多くの場合、アメリカのコメディ映画は感傷面をあまり描こうとしない。ジョークを優先するんだ。でも、トッドの良いところは、『デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断』(11)でもトッドと僕はやったんだが、心の琴線に触れようとする点なんだよ。アランが単なるふざけたキャラクターではなく、もうちょっとだけリアルに思えるように、適度なさじ加減で人の心を揺らすんだ」<続く>