ダイアナになりきったナオミ・ワッツ「単なる真似では終わらせたくなかった」

インタビュー

ダイアナになりきったナオミ・ワッツ「単なる真似では終わらせたくなかった」

1997年に交通事故で36歳という若さでこの世を去った元英国皇太子妃ダイアナ。彼女の知られざる姿とドラマチックな人生を綴った映画『ダイアナ』が10月18日(金)より公開となる。本作でダイアナを演じているのが、アカデミー賞2度のノミネート経験を持つ実力派女優ナオミ・ワッツだ。彼女が出演の経緯や本作の魅力などを語ってくれた。

これまで『イースタン・プロミス』(07)や『愛する人』(09)、『フェア・ゲーム』(10)などの映画に出演し、ハリウッドのトップ女優にまで上り詰めたワッツ。今回、本作への出演を決定付けたのは企画に惹かれたからだと話す。「ダイアナについて多くの情報があったのにもかかわらず、彼女とハスナット(・カーン)との愛の物語を知らなかったの。だからこそ、興味深かった。もちろん脚本も素晴らしかったわ」。その一方で、史上最も有名なプリンセスを演じることにプレッシャーも感じていたという。だが、女優ならではの感覚として、「女優というのは、複雑で矛盾を抱えた女性を演じたいと思っているものなの。そういった映画には惹きつけられるし、共感もできる。1つの側面しか持たない女性を演じるのは退屈で、そういう映画は全く面白くないわ」と語った。

彼女が言う通りダイアナは、王妃や妻、母親、ひとりの女性、様々な顔を持った人物だ。劇中ではワッツが見事にそれらを体現し、ヘアスタイルや鼻、目もとなどの外見だけではなく、声や仕草も自分のものにした。「単なる真似では終わらせたくなかった。演技は物語そのもので、真実を映すものだけれど、出来る限り正確に再現することも大切だと思ったわ。つまり、ダイアナの声やトーン、視線など特徴的な部分ってことね。不安ではあったけれど、演じられて光栄だった」

ワッツがダイアナになりきった迫真の演技もさることながら、ダイアナの人生を忠実に描いた物語も感動的だ。本作ではダイアナが亡くなる前の2年間に重きを置き、彼女が自分らしく生きることができた時期を捉えている。その時期に出会い、夫の不倫や王室の確執などで傷付く彼女を変え、支えたのは外科医であるハスナットだ。ワッツは2人の関係についてこう語る。「ダイアナと関係を持った男性たちの中で、ハスナットとのことは一番知られていない。パパラッチやメディアを上手にかわし、ふたりは恋愛を楽しんでいたはずよ。変装したり、夜中に公園でこっそり会ったりしてね」。さらにハスナットの魅力について、知性や財力を持った誠実な人と答えるワッツ。「だからこそ、彼はダイアナの内なる自信や知性を引き出すことができた。ダイアナは彼といると自由になれたのよ」

「強い意志を持っていたからこそ、世間に背くこともあった。だけど、賢くて心が温かい、茶目っ気のある人」と、今回演じたことでダイアナのすべてが好きになったというワッツ。彼女が真っ向から挑んだダイアナの人生、そして、彼女を支えた献身的な愛に是非触れてみてほしい。【Movie Walker】

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