“100%板尾”の映画にベテラン石坂、國村の評価は?

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“100%板尾”の映画にベテラン石坂、國村の評価は?

板尾創路監督による『板尾創路の脱獄王』が沖縄国際映画祭で初披露され、舞台挨拶終了後に監督、出演した石坂浩二、國村隼の3人がインタビューに答えてくれた。

――作品への自信はどれぐらいありますか?

板尾「自分が思っていた以上の作品になりました。今からもっと良くなるように思います。もう出来上がっているんですけどね(笑)。他の監督さんなら、ちゃんと計画があって、演出、ストーリー、芝居がこうなればこうなる、みたいなのがわかるのでしょうが、僕はよくわからないので。自分なり、を楽しませてもらいました」

――板尾さんの監督ぶりはいかがでしたか?

石坂「初日から僕と國村さんとの撮影があって、現場が高揚していたので、最後まで持つかなと心配でしたね。大変だっと思うが、ちゃんと行きましたね」

國村「ちゃんと監督していましたよ。彼はほとんど表情に出さないからね。でも内心、緊張していたと思いますね」

石坂「そうそう、すごい緊張だったと思う。普通は、『よ〜いスタート、カット、OK!』とパンパンパンと行くんだけど、『カット』と言ってから随分長いんだよね。駄目なら早く言えよ、って思いましたが(笑)」

板尾「すいません! チェック長くて」

――笑いに関するエピソードを教えてください

板尾「助監督がオール巨人さんにめちゃくちゃ怒られていましたね。目上の人に、ポケットに手を突っ込んだままモノを言うなって。ほんと、有り難い先輩です。巨人さんがいることで現場が締まるというか。忙しいのに説教までしてくれて(笑)。だから一番成長したのは助監督かもしれませんね」

――國村さんと石坂さんにお尋ねします。板尾さんの好きなところはどこですか?

國村「ギャグというイメージはなく、表情がないようで、心の中が揺れ動いているのがよく分かる。他の人とはちょっと違いますね。そういうところが彼の魅力ですね」

石坂「同感です」

――では板尾さんに。次回作の予定はありますか?

板尾「今のところないですね。3Dなら撮りたいなあと思っているんですが、予算も倍かかると言われて」

石坂「この作品、いくらでも続編が作れる設定だよね。飛び出すんだから良いんじゃない」

板尾「3Dで脱獄、良いですね。西川きよしさんにも出てもらって(笑)」

――この沖縄国際映画祭で松本人志さんが二作目の記者会見をしましたが、何かお話はされたんですか?

板尾「作っていたことさえ全然わからなかったんです。記者会見することも知らなかったぐらいですし。ほんまにやっているのかどうかもわかりません。作っている、という意識を感じさせないのが素晴らしいと思います。松本さんとは何も話をしていないので、松本さんがどう思っているのかもわからないですね」

――石坂さんにお聞きしたいのですが、これまで市川監督など著名な監督と一緒にやってこられて、演出方法や現場の雰囲気とか、違ったところとかありましたか?

石坂「極端に変わらないですね。その辺、作っているものがにおってくるとわかるものですが、衣装合わせなどをしている時に『ほほ〜』と思いましたね。そこに描かれている人間が大切で、どこをぼかせば良いのかが勝負です。彼はリアルじゃなくて時間をごまかしている。緩急の付け方などもプロっぽかったですよ」

――國村さんにも同じ質問でお願いします

國村「表情には出ないけど、思っていることがにおってくる。カットがかかって、リテイクなのかOKなのか? 我々は待っている状態です。現場では板尾ではなく監督なんです。時間がかかってもジャッジしなければいけない。その姿は間違いなく監督でしたね」

石坂「とても慎重な監督ですね」

板尾「自分が出ているところはやっぱり慎重になるのかな」

國村「その切り替えとかはどうだったの?」

板尾「モニターに映っているのが自分であっても、まるで別人を見ている感じで。特に意識はしなかったですね」

石坂「じゃあ、役者としての板尾は何点なの?」

板尾「自分の演技だけを集中して見たことがあって、実はそんなに悪くなかったのかなと(笑)。すごいとかはなかったけど、ひとまずミスはなかったかな」

石坂「映画ってそういうものだよね」

――監督としては何点ですか?

板尾「点数は20〜30点ぐらいだけど、一日も休んでないから卒業させたる、そんな感じです(笑)。一生懸命さだけは認めてもらえたら嬉しいですね」

――最後に作品のPRをしてください

板尾「本当に吉本にお金を出してもらい、好きなように作らせてもらって、石坂さんや國村さんというキャストとも決めさせてもらって、100%板尾の映画になっています。そんな板尾の映画を見たい人はぜひ見てください!」

吉本の中でも、マルチな才能で異彩を放つ板尾創路。次回作は未定だが、いつの間にか『板尾創路の脱獄王2』が出来ているかもしれない。そんな予感のするインタビューだった。【取材・文/真野博之】

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