『攻殻機動隊』新シリーズ第2弾は「プロダクションI.G史上、ベストのアクション映画」

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『攻殻機動隊』新シリーズ第2弾は「プロダクションI.G史上、ベストのアクション映画」

人気アニメ「攻殻機動隊」の新シリーズ第2弾となる『攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers』(11月30日公開)。11月18日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで完成披露試写会が開催され、ボイスキャストの松田健一郎、中國卓郎、総監督の黄瀬和哉、シリーズ構成・脚本の冲方丁、『border:2』監督の竹内敦志、製作総指揮の石川光久が登壇。数々の名作を生み出してきたプロダクションI.Gの代表取締役でもある石川が、「プロダクションを設立してから25年以上が経つけれど、そのなかでもベストのアクション映画」と手応えを語った。

本作は、凶悪犯罪に立ち向かう「公安9課」の創設秘話や、ヒロイン・草薙素子の知られざるエピソードに迫る、新シリーズ4部作の第2弾。石川は“ベスト”とした理由を、「アニメが実写に追いつこうとしているんじゃない。(ジェームズ・)キャメロンであれ(ジョージ・)ルーカスであれ、実写がアニメに追いつこうとしているんだと、この作品を見て確信できた」と満足気な表情。竹内監督も「感無量です」と喜びを語った。

シリーズ構成と脚本を手掛けるのが、「マルドゥック・スクランブル」「天地明察」で知られる冲方だ。冲方は「公安9課の仲間たちのなかで、見たことがあるようで、見たことのないようなやり取りを組み合わせている」と、本シリーズの世界観をじっくりと分析した上で脚本に取り組んでいる。さらには「ヒーローを作りやすい構造が、このシリーズの持ち味。草薙素子はヒロインと言うと違和感がある。可愛げがないのが、今後の課題」と話し、会場を笑わせていた。

新シリーズでは、ボイスキャストの一新も話題となった。バトー役の松田は、もともと「攻殻機動隊」のファンだったそうで、「今回はバトーの出番も多いし、アクションも入る。とんでもないことになっちゃったなと。今でも信じられない気持ちです」と緊張の面持ち。サイトー役の中國は「収録は楽しくて、あっという間に終わってしまった。『border:3』が今から楽しみです。先走りすぎですかね?」と笑顔をのぞかせていた。

また、本作でイシカワ役を演じた檀臣幸氏が2013年10月10日に逝去したことに話が及ぶと、黄瀬監督は「檀さんの収録が別録りだったので、見に行けなかった。そのことが今でも悔やまれる」、竹内監督も「収録もぴったりとハマっていて、これからが楽しみだった。とても残念」と故人を偲んでいた。

最後には石川代表が「『border:3』は、冲方が作家生命をかけ、黄瀬もアニメーション監督生命をかけて、驚くようなものを作っている。是非とも心待ちにしてほしい」と早くも続編についてコメント。観客の期待を大きく膨らませていた。【取材・文/成田おり枝】

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