キアヌ・リーブスが謝罪!?「真田サン、悪い生徒でごめんなさい!」
12月6日(金)に世界に先駆け公開されるアクション大作『47RONIN』。日本の「忠臣蔵」をベースにした本作で、赤穂浪士たちを導く異端の主人公・カイを『マトリックス』シリーズのキアヌ・リーブスが演じている。『地球が静止する日』(08)のプロモーション以来、約5年ぶりに来日したキアヌに単独取材を敢行した。
真田広之、菊地凛子、浅野忠信に加え、ハリウッドデビューを果たした赤西仁、柴咲コウら日本人キャストが揃うなか、孤軍奮闘したキアヌ。「僕は『忠臣蔵』についての知識はなかったんだけど、日本人はみんな『忠臣蔵』に対して特別な思いを持っていると感じたね。特に真田さんには殺陣から日本の所作までいろんなことを教わったんだ。彼は殺陣の名人で、僕の先生でもある。でも僕は真田さんのレベルには到底かなわなくて、『悪い生徒でごめんなさい!』って謝りたい気持ちさ(笑)」と、両手を合わせ謝罪のポーズをとってみせた。
「この映画に出演した理由は、名誉を重んじる物語やラブロマンス、それからカイというキャラクターにとても共感したからなんだ」と真剣な眼差しで語るキアヌ。「カイは自分を迫害してきた人々に対して怒りを感じていない。状況を理解して、むしろ彼らに敬意を払っているように見える。僕はネガティブな面よりも『人間って何なのか』、『なぜ人は生きるのか』というテーマを描きたかったんだ」と本作への思い入れを吐露した。
また、「僕にもアウトサイダーな部分があるかもしれない。ちょっと変わってるからね、僕は(笑)。子どものころ何度も転校したり、家族がバラバラだった。そういう経験から、いつも孤独を感じていたと思う」とコメント。キアヌが出演を決めた本当の理由は、カイという役に自身のルーツと共鳴する部分があったからなのかもしれない。
そんなキアヌに対し、現場を共にした仲間たちは称賛の言葉を贈っている。キアヌの仕事ぶりにとても驚かされたという菊地は、「ハリウッドでは危険なシーンにスタントを立てる役者も多いなか、彼は仮面を付けた場面まで自ら演じていて、『こんなにボロボロになるまでやるのか』とビックリしました」と明かし、キアヌに殺陣の技術を指導した真田も「彼は自分に厳しく、他人に優しい人。日本の言葉や文化まで勉強して撮影に臨んでいた」と語る。本作に懸ける真摯な姿勢は、日本の共演者たちの胸を打ったようだ。
近年は俳優としてだけでなく、フィルムメーカーとしても活動しているキアヌ。彼が企画製作に携わった『サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ』(12)や監督と主演を務めたカンフー映画『Man of Tai Chi(原題)』(13)の話題に話が及ぶと、「おっ!気に入ってくれたかい?いまはニューヨークで新作を撮影中だけど、これからも製作と俳優業を両立していきたいんだ」と笑顔で話す姿が印象的だった。独自の道を切り開くキアヌの今後の活動にも注目したいが、まずは『47RONIN』で“武士道”の精神を貫く彼の勇姿を楽しんでほしい。【取材・文/トライワークス】