過激な全裸ベッドシーンより見応えアリ!?熟女ヒロインの生き様とは?
映画ヒロインの若くて美しいという“常識”を、良い意味で裏切ってくれる痛快な人生ドラマ『グロリアの青春』(3月1日)。第63回ベルリン国際映画祭で銀熊賞・主演女優賞を受賞したことで、世界中の賞賛を集めた本作の予告編がこのたび解禁された。ここでぜひ注目してほしいのが、58歳ヒロイン・グロリアの体当たり演技だ。
ノミネート発表が近づいてきた来年の第86回アカデミー賞外国語映画部門のチリ代表にも選ばれた本作は、首都サンティアゴでキャリアウーマンとして働くバツイチ女性・グロリアの“青春”物語だ。夜な夜な通うダンスホールで出会った元海軍将校ロドルフォと出会い、恋愛関係に発展し…というストーリー自体には、これといった目新しさはない。だが、恋に落ちるヒロインのグロリアが、子育て&離婚の苦労や更年期の不安も乗り越えた“還暦直前”という点がいっぷう変わってるといえるだろう。
オトナの恋愛だけに当然のことながらセックスシーンも盛り込まれているが、ヌードもごくナチュラルに披露。今回解禁された予告編でも、どう見てもおじいちゃん(失礼!)のロドルフォを押し倒したり、タバコを片手にピロートークしたりと、グロリアが貪欲に愛を貪るシーンも思いのほか多い。だが、海外での評価が高い理由は、むしろ老いや孤独に負けない彼女の徹底した前向きさにある。
グロリアの人生観を象徴する言葉で「寂しいけれど、もう媚びない」という本作のコピーがあるが、まさに言いえて妙!よくよく見れば体はたるみ、顔にはくっきりと皺が刻まれているのだが、“老い”を振り切るように、真っ赤なグロスをひき、ハイヒールを鳴らすグロリアは、ストーリーが進むにしたがって驚くほど魅力的になってゆく。1982年にローラ・ブラニガンがカバーして大ヒットしたウンベルト・トッツィのヒット曲「グロリア」の軽快な旋律も手伝って、予告編だけでもポジティブな気分に浸れる仕上がりになっているので、ぜひこの機会にチェックしてみてほしい。【トライワークス】