北川景子、難役のオファーに喜び。その理由とは?
『謎解きはディナーのあとで』『ルームメイト』と2013年に話題作が続いた北川景子は、2014年も絶好調!『ジャッジ!』(公開中)に続き、錦戸亮と初共演した感動作『抱きしめたい 真実の物語』が2月1日(土)より公開される。北川にインタビューし、真摯に挑んだ役作りや撮影秘話について話を聞いた。
本作は、ドキュメンタリー番組「記憶障害の花嫁・最期のほほえみ」を基にした感動作。北川は、交通事故の後遺症で記憶障害と車椅子生活を強いられながらも、前向きに生きるヒロインつかさ役を、錦戸は、つかさと恋に落ちるタクシー運転手の雅己役に扮している。
実在の人物を演じる上でのプレッシャーについて尋ねると、「この映画のお話をいただいた時、企画書と映像素材をいただいたのですが、そのなかのつかささんは、後遺症を抱えながらもとても前向きで、素敵な方でした。もし、ここで断ってしまったら、他の女優さんがやってしまうわけだし、自分がこの役をいただけたこと自体がすごくうれしかったです」と答えてくれた。プレッシャーよりも喜びの方が大きかったというのだ。
もちろん、出演が決定してからは、気を引き締めて臨んだという。「リハビリなどの難しいシーンが台本に組み込まれていたことも知ったので、ちゃんと責任を持ってやろうと思いました。事故直後の集中治療室のシーンは映像にもあったので、それを自分のタブレットに落として、撮影の合間に見て勉強しました。お母さまと一緒にリハビリをなさったりしたシーンでもあるので、お客さんに2人の間ですごい苦労があったことを伝えなくちゃいけないと思って。でも、それが悪いプレッシャーになって、辛かったり苦しかったりしたことは、最初から最後までなかったです」。
錦戸亮とは初共演ながらも、恋人たちの自然体な雰囲気を存分に醸し出している。「撮影では、自然にすっと入れました。ただ息が合ったというか、お互いに信じられました。たとえば、アドリブでは、あまり突拍子もないことを言うと、相手が返しづらいかなと思うので、普段は返しやすいアドリブにしようと思ったりするのですが、そういう計算みたいな部分が今回は一切なかったです。何を言っても、錦戸さんだったら返してくれるし、受け止めてくれるという安心感がありました。すごく言葉が多い方ではないけど、そこにいるだけで人に安心感を与えられるのは、錦戸さんがもっている特別な雰囲気だと思いました」。
錦戸の演技のナチュラルさにも改めて感心したそうで、「過去の作品で、暴力男やガンで闘病する役を演じられていましたが、見れば、本当にこういう人がいそうだなあと思わせてしまう。本当にそういう人なわけがないのだけど、そう思えるようなお芝居をされる。そこはすごく憧れている部分で、役者さんとしてすごいなと思いました。笑いにも、吹き出したり、はにかんだりと、いろんなバリエーションがある。きっと感じたままにやっているんだろうけど、その感受性の鋭さは自分にはないものだし、うらやましいなといつも思っていました」。
最後に、『抱きしめたい 真実の物語』の後も『悪夢ちゃん The 夢ovie』(5月3日公開)と、今年も快進撃が続きそうな北川に、2014年の抱負について聞いた。「2013年は恵まれていた1年でしたが、それを当たり前だと思わないよう、今年も甘んじることなく、1つずつ真面目に取り組みたいなと思っています。やっぱりみんなに楽しんでいただけるために、休みなく働けたら良いなと」。スクリーンでも取材でも、常に真っすぐな北川景子。この1年もスクリーンで彼女の活躍を存分に楽しめそうだ。【取材・文/山崎伸子】