北川景子が芸能リポーター?錦戸亮に話しかけまくり!
北川景子が、ドキュメンタリー番組「記憶障害の花嫁・最期のほほえみ」を基にした感動作『抱きしめたい 真実の物語』(2月1日公開)で錦戸亮と初共演。北川が演じたのは、交通事故の後遺症で、記憶障害と車椅子生活を送りながらも、常に前向きに生きたヒロインつかさ役。錦戸は、つかさの恋人・雅己役に扮した。北川にインタビューし、錦戸亮との撮影秘話について話を聞いた。
メガホンを取ったのは『黄泉がえり』(03)や『どろろ』(07)の塩田明彦監督だ。北川はクランクイン前に、錦戸と塩田監督と共に、彼女のご家族を尋ねたそうだ。「お仏壇の前で手を合わさせていただきました。その時、親戚中の方々が集まってくださって『映画を楽しみにしています』とか、『つかさのことを映画にしてくださってありがとう』とか言ってくださって。つかささんはこういう家族団欒の温かい雰囲気のなかで、すごく愛され、こうして最後までいたんだなと感じられたことが一番大きかったです」。
錦戸については、「元々、好きな役者さんでしたし、錦戸さんの作品はたくさん見ていて共演が決まった時はうれしかったです」と、初共演を喜んだ。でも、実は、2人共、かなりの人見知りだということで、北川は仲良くなろうと、いつもより気合を入れて現場に入ったようだ。「私もけっこう人見知りですが、この仕事も長くなってきたので、少しずつ改善されては来ているんです。女子校育ちなので、男性は年が離れていると大丈夫なんですが、年の近い男性との関わり方があまりわからないというか。共学の人たちはすぐに“景子”とか、下の名前で呼び合うじゃないですか。その感じがわからなくて。最近は、同年代の男性とお芝居をすることが多くなり、だんだん慣れてはきたけど、距離感の測り方とかは今でもよくわからないんです」。
そんな北川だが、撮影前に、プロデューサーからこんなアドバイスを受けた。「『錦戸さんは、北川の上をいく人見知りだから、北川が話しかけなかったら、たぶん一生2人は話さないと思うよ』と言われて。それはまずいと思ったので、相手の方から話しかけてくれると良いのにという考えは今回やめて、自分から話しかけたんです。でも、私は、加減がわからないから、初日からわーっと話しすぎました。最初は2人の車の中のシーンでしたが、沈黙はダメだと思ったので、ずーっとしゃべりっぱなしで(笑)」。
たとえば、どんな話題に花を咲かせたのか?「『関ジャニ∞って忙しいですか?』とか、『歌う方ってあまりお酒は飲まないのですか?』とか、芸能リポーターみたいな感じでした。こいつ何だろう?と思われていたかもしれないですが、めげずに話しかけていったんです。無理やりこじ開けた形でしたが、それがきっかけで、その後はいろいろと話せるようになったので、結果的には良かったです」。
最後に本作で伝えたいメッセージについて聞いた。「つかささんは、何ごとでも、自分で無理だと決め付けなかった。どんな時も諦めない、希望を捨てないことの素晴らしさや強さ、美しさを、つかささんを通して私は感じました。だから、自分も不可能を可能に変えようというくらいの気持ちで、2014年もやっていきたいと思っています」。
まさに、昨今、飛ぶ鳥をも落とす勢いを感じる北川景子。常に役と真正面から誠実に向き合う彼女だから、映画やドラマなどでひっぱりだこになるのも納得がいく。特に、ひたむきに人生を生き抜いた『抱きしめたい 真実の物語』のヒロイン像は、彼女自身の凛とした姿勢や清らかな強さが反映されていて、多くの人の心を打つに違いない。【取材・文/山崎伸子】