生田斗真&仲里依紗の“あのシーン”秘話を三池祟史監督が暴露!生田が照れたり、焦ったり!?
高橋のぼるの同名人気コミックを、生田斗真主演で実写映画化する『土竜の唄 潜入捜査官 REIJI』(2月15日公開)。冒頭約20分は、常にマッパ!三池祟史監督のもと、生田が「ここまでやるか!」と目を丸くするような大熱演を見せている。三池監督を直撃し、現場での生田の様子、驚くべき役者魂を聞いた。
本作で生田が演じるのは、警察官なのに超がつくほどのバカ。しかし、正義感だけは誰にも負けない主人公・玲二だ。三池監督は、「生田斗真は、これまで良い男やスイートな役が多かった。そろそろ、そういう役にも飽きている頃じゃないかと、勝手に思っていたんです(笑)。年齢的にも一番良い時期ですし、色々なことをやってみたいと思っているんじゃないかと」とニヤリ。「今回、生田くんは俺でもビックリするようなポテンシャルを見せてくれましたよ」と、生田の体当たり演技は鬼才をもうならせた様子だ。
落ちこぼれの警察官・玲二が、潜入捜査官“モグラ”として悪戦苦闘する様子を描く本作。笑い、アクション、スリルも満載。玲二の熱に引っ張られ、まるでジェットコースターに乗り込んだような気持ちで楽しませてくれる。演出法について聞いてみると、「生田くんには、『玲二っていうのは、こういうヤツだ』という演出はしていません」と三池監督。「この原作は、『コイツ、面白いよね』と言いながら、玲二が予測不可能だからこそ、ページをめくっていくような漫画。もちろん役者ですから、生田くんも色々と組み立てていたとは思いますが、結果的には『わからないから、やってみるしかない!』という気持ちだったと思いますよ」。
続けて、「計算して作られた不良なんて、絶対に面白くないでしょう(笑)?玲二は本当にバカ!単純で、計算なんてできないからね!」と嬉しそうに笑う。原作のあり余るエネルギーを表現するためには、「やってみるしかない!」という気持ちこそ大事だったようだが、その心意気が最も感じられるのが、玲二が走行する車のボンネットにマッパで縛りつけられ、そのまま自動洗車機に入れられるシーンだ。
撮影では、ガソリンスタンドにある、本物の自動洗車機が使用された。「CGで作るのも、嘘っぽくなってしまうから。人形やスタントマンで試してみて、『これ、行けるんじゃないか』となったわけです。でもその時誰もが、『果たして生田くんがやるのか』という問題を考えていないわけですけどね(笑)」。
人形やスタントマンを使って実験をしているということは、生田の耳にも入っていたようだが、そんななか撮影の当日を迎える。「当日になって、『マジか』となっていましたね(笑)。その時に、スッと立ち上がるか、『ええ~』と困惑の表情を見せるかで、シーン自体が大きく変わってくるわけで。彼はさすがでしたよ。スッと、しっかりと立っていました。さらに撮影は真冬でしたし、洗車機の水量もものすごい。1回やると体が冷え切ってしまうんです。でも生田くんは、1テイクでは終わらないとわかっていますから、震えるわけにはいかない。ガクガク震えていたら、あのシーンが笑えないものになってしまいますから。彼は、大丈夫だった。あんな機械に入るなんて怖いし、寒いですよ!あのシーンが笑えるのは、生田くんが元気だからです」。
玲二と、仲里依紗演じるお色気たっぷりの婦人警官・純奈とのベッドシーンも見どころだ。「ああいうシーンは、自由にやってくださいというのも難しい。形を決めながら、そのなかにどれだけ気持ちを込められるかというのが大事で。玲二は童貞で、しかも“早い”という設定ですからね。仲さんに『ええ!?もう終わり!?』という表情をされて、生田くんの照れたり、焦ったりする感じは、男ならすごくよくわかると思うんですよ!仕舞いには、我慢をしようとして遠藤憲一の顔を思い浮かべたりしてしまうんですからね。あんなの最悪ですよ(笑)。でも男なら、きっと似たような経験があるはず」と、特に男性には共感度の高いベッドシーンだと、胸を張る。
捨て身の覚悟で、愛すべき男・玲二に見事に魂を吹き込んだ生田。三池監督は、「1回目は、驚くばかりで冷静に見れないかもしれないけれど、2回、3回と見ると、生田くんのすごさが、よりわかると思います」と絶賛する。「確実に1シーンずつ、玲二として成長をしています。玲二は何かをきっかけに、ガラッと変わるのではなく、潜入捜査官としての体験を通して成長をしていくわけで。生田くんは、前半と、ラストシーンの玲二では明らかに別人になってくれました」。
バカだけれど、どこまでも真っ直ぐな玲二の成長は、観客の胸をもきっと熱くするはず。「映画を見た男の子が元気になってくれると良いなと思うんです。あと、生田斗真に男の子のファンが増えると良いですね。中学生の男の子が、『生田斗真、良いよね!俺、生田斗真になりたい』とか言ったりね(笑)」と三池監督。是非とも、玲二、そして生田斗真のパワーをスクリーンで楽しんでほしい。【取材・文/成田おり枝】