“ハチャメチャな男”を演じてオスカー候補に! 怪優マシュー・マコノヒーのインタビュー映像を先行公開

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“ハチャメチャな男”を演じてオスカー候補に! 怪優マシュー・マコノヒーのインタビュー映像を先行公開

第86回アカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネートされている話題作『ダラス・バイヤーズクラブ』(2月22日公開)。HIV陽性の診断を受けた余命わずかの患者が、無認可の薬やサプリメントの密輸し、売買した実話を描く壮絶な人間ドラマだ。主演のマシュー・マコノヒーは、先日行われた第71回ゴールデングローブ賞で主演男優賞(ドラマ部門)に輝くなど、オスカーでも主演男優賞の本命視されている。この度、そんな彼が『ダラス・バイヤーズクラブ』の登場人物について語った2本のインタビュー映像を先行入手!字幕のない映像のため、全発言を解説しつつ紹介したい。

1本目の映像では、彼が演じたロンというキャラクターについて語っている。「ロンは生きる目的を求めていた。HIVに感染したことでそれを見出したんだ。やり遂げるべき使命を見つけたのさ。人生のすべてを諦めて、投げやりになるのではなく『可能な限り長く生きるためにどんなことでもする』。そう決意したんだ」。非合法な薬を売買し、結果としてエイズ患者に希望を与えたロンだが、単純な“善人”ではないとマコノヒーは言う。「ロンは映画の冒頭で自分がエイズ患者だと知る。医師から宣告されるが、最初は信じない。そこで監督のジャン=マルク・ヴァレが名案を思いつき、ロンのアナーキーな部分をうまく引き出した。この作品の、特に前半は、上品なバイオリンの音色はまったく似合わない。ロンはワイルドな男だ。要はドラッグを売って、金儲けをしているわけだしね。ただ、それがHIV用の薬ってだけだ。慈善をやる気なんてない、ハチャメチャな男さ」。

2本目の映像では、トランスジェンダーのレイヨン(ジャレッド・レト)、ロンの担当医イヴ(ジェニファー・ガーナ―)との関係性について言及。「レイヨンとロンの関係には不思議な魅力がある。一緒に住んではいないが、パートナーになるんだ。映画のラブストーリー的な要素かもね。相棒としての2人の関係性がそう感じさせる。妙なカップルだけどね。ジャレッドは完全に己を消していた。素晴らしい役作りだったよ。設定上、薄っぺらくなったり大げさになりがちな役だけど、とても人間味があってリアルだったし、意思疎通もしやすかった。毎日、レイヨンと会い、仕事をしている感覚だったね」と、2人とも役に入り込んでいたことを説明。また、病院と患者の間で苦悩するイヴとの関係については「ジェニファーは気品があって、他人を思いやる心と正義感が自然とにじみ出てる。危険な橋を渡る医師という難しい役で、板挟みの心情をよく表現したと思う。当然、セックスはできない。ロンはエイズじゃなきゃ『喜んで』と言いたいだろうけど。彼らの関係は残酷なほどにピュアでしかあり得ない。こんなセリフがある。『高級店で目の前に美女。人間に戻った気分だ』。2人の関係の純粋さと悲哀が表現された言葉だ」と“男女”の関係ではないと強調している。

和やかな表情と独特のテキサス口調で淡々と語るマコノヒーだが、本作のために21キロも減量した役者根性の持ち主。劇中では、薬を認可しない政府や医療機関に真っ向から刃向うロンになりきっている。アカデミー賞ノミネートで注目を集めているこの機会にぜひ。【Movie Walker】



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