『魔女の宅急便』とんぼ役の広田亮平「キキがうらやましかった」

インタビュー

『魔女の宅急便』とんぼ役の広田亮平「キキがうらやましかった」

角野栄子の児童文学を、満を持して実写映画化した『魔女の宅急便』(3月1日公開)で、キキと交流するとんぼ役を演じた広田亮平を直撃。とんぼ役に抜擢された時は、喜びよりも、驚きやプレッシャーの方が大きかったと本音を語ってくれた広田。インタビューでは、役作りから、キキ役のシンデレラガール・小芝風花との撮影秘話まで、いろんな話を聞かせてくれた。

修行のため、見知らぬ街にやってきた13歳の見習い魔女のキキ。彼女は、ホウキで空を飛ぶという特技を活かしたお届けもの屋“魔女の宅急便”を始め、町の人々と交流しながら成長していく。『魔女の宅急便』については、宮崎駿のアニメ版から入ったという広田。「ジブリのアニメの方を小さい頃から見ていて、キキを助けたりするとんぼは、男らしいなと思っていました。憧れもあったので、とんぼ役に選ばれた時は本当にうれしかったです。ただ、アニメ版のとんぼと、今回のとんぼは、キャラクターを細かく見ていくと違うから、役作りは台本を参考にしていきました」。

メガホンを撮ったのは、『呪怨』シリーズなど、ホラー監督として知られる清水崇だ。今回の演出については「監督からは『今までのイメージは置いておいて、自分のやりたいようにやってみて』と言われました。だから、台本のト書きなどはほとんど気にせず、自分が動きたいと思ったら動いたりして、リハーサルをしていきました。細かい描写の指導はありましたが、自由にやらせてもらうことができました。 撮影中に気づきながら作り上げていった感じです」。

広田には、とんぼのような、空を飛びたいという願望が元々あった。「僕は高いところが好きなので、飛行機を見ていても、マンションの上から景色を見ていても、飛びたいなって思います。特に撮影では、間近でキキが飛んでいるところを見ていたので、わあーっ、良いなあって。彼女がクレーンで吊るされているだけでもうらやましかったです」。

とんぼが手作りの人力飛行機で空を飛ぼうとするシーンは、彼の見せ場のシーンの1つだ。「少し浮くところまでやらせてもらったのですが、やっぱり自転車を漕ぎながら飛んで行くというのは、すごく緊張しました。でかい翼がついているからバランスが取りにくいので怖かったし、ハンドルもいつも乗っている自転車のものとは違って、難しかったです」。

キキ役の小芝風花については「小芝さんは、楽しみながら演じているという感じでした。現場では、スタッフさんとも密にコミュニケーションを取っていたし、僕も仲良くさせてもらいました。キキを見ていると、自分らしさがあって良いなあとも思いました。監督もあまり怒ることはなく、時々ちょっかいをかけたりして、とても楽しかったです」。

キキととんぼが、嵐の中で飛ぶというシーンは、見るからに大変そうだ。「グリーンバックでやっていたので、いろいろと想像を働かせながら演技するのは、けっこう難しかったです。水しぶきとかに加え、風がプラスされ、揺らされて寒かったりしました。でも、カットがかかったら、スタッフさんがすぐタオルを持ってきてくれたりと心遣いがあったので、全然大丈夫でした。撮影は本当に楽しかったです」。

最後に、今後、目指している俳優像についても聞いてみた。「役にとらわれずに、自分らしさを出せる俳優になりたいです。好きな俳優は香川照之さん。“ミスター自分らしさ”で、渋いところもあって、いろんな役ができるので憧れています」。

注目のとんぼ役を爽やかに演じ切った広田亮平。清水監督の狙いどおり、本作では自由に伸び伸びと演じていて好感度大だ。是非、原作ファンもアニメファンも、実写ならではの『魔女の宅急便』をじっくりと堪能してほしい。【取材・文/山崎伸子】

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