橋本愛と小林涼子が女子談義!ウジウジ男子は「胸ぐらつかんでも振り向かせます(笑)」

インタビュー

橋本愛と小林涼子が女子談義!ウジウジ男子は「胸ぐらつかんでも振り向かせます(笑)」

子どもから大人へ成長する過程で、誰もが体験したことのある“あの頃”の空気を切り取った青春ドラマ『大人ドロップ』(4月4日公開)。早く大人になりたいともがく高校3年生の男女4人が主人公の本作で、その中の“女子組”である橋本愛と小林涼子にインタビューを敢行。劇中で描かれる甘酸っぱい青春エピソードや、それぞれの恋愛観について話を聞いた。

「人には、恥ずかしいとか、もどかしいとか、それぞれの青春像があると思うんです。理由はないんですけど、私は早く高校を卒業したいって思っていました。やっと卒業なので『ヨッシャ!』って感じです(笑)」と、まさに登場人物たちと同世代の橋本が演じるのは、物静かで大人びた雰囲気を持つ杏というキャラクター。自ら演じた役について、「じつはこの映画で杏の背景はほとんど描かれていないんです。描かれるのは常に“誰かの対象としての杏”という印象があって。だから彼女はすごく偶像的なんです」。

これを受けて小林は「現場でも静かに過ごしていた愛ちゃんは“ザ・美少女”。杏っぽいというか、遠くで恋い焦がれる存在として愛ちゃんはピッタリだった」と納得の表情。一方で、小林が演じるのは感情的で活発なハルという女の子だ。「杏とは真逆で、ハルは“現実”という感じ。男子がコソコソ噂するような存在じゃない。人懐っこくてうるさいんだけど、なぜか気になるっていう女の子なんです」と、ハルの個性を的確に指摘する。

また、“男子組”のキャラクターに話が及ぶと、相手に素直な想いを伝えられない主人公、由(池松壮亮)について小林が一喝。「杏とハル、どっちにしようかダラダラと悩んでいてズルいし、うらやましい。女子からすれば『なんでこっち向いてくれないの!』ってイライラしますよね。もしあんな男子がいたら、胸ぐらつかんでも振り向かせますよ(笑)」とハルよろしく強気な発言。また橋本は、女子とろくに会話ができないハジメ(前野朋哉)について次のようにコメントした。「ああいう人、きっと多いんだろうなあ(笑)。虐げられて、ひねくれて、達観してるような高校生。でも彼は間違ってないし、優しい人だなっていうのがわかるから好感が持てますね」。

そんな4人の男女の思いが交錯する舞台は伊豆の美しい風景。撮影について橋本は「本人たちのモヤモヤした気持ちとは反対で、すごく美しく撮られているなって思った」と振り返る。「『大人ドロップ』は撮影の時期も良かった。『あまちゃん』を撮ってる時はスタジオでの撮影が多かったんです。ずっと籠もりっきりでお芝居していたので…(笑)。久しぶりの映画で、しかも伊豆が舞台で『やっと外の空気吸えた!』という開放感があったんです」と満喫できたようだ。

この開放的な伊豆のロケーションを活かし、苦みを含んだ青春映画に仕上げたのは飯塚健監督。「19歳の頃、『大人は全員敵なんだ!』って思っていたんです(笑)。じつはそんなめちゃくちゃ恥ずかしい時期に、飯塚監督と会ってるんです」と小林は語る。「その時に監督から『いつか一緒に映画をやろう』って言ってもらって今回の出演につながった。この作品を通して、当時抱えていたモヤモヤに踏ん切りをつけることができたんです」とキャリアの中でも大きな分岐点になったという。

思わずドキドキさせられる見せ場が満載の本作。“女子組”の橋本と小林も本当に存在しそうな高校生をリアル演じ、物語を盛り上げている。2人の活躍にも注目しながら、作品の世界で青春を追体験してほしい。【取材・文/トライワークス】

作品情報へ

関連作品

  • 大人ドロップ

    3.6
    3
    樋口直哉の同名小説を映画化、思春期の男女4人の自分探しの旅を描く一夏の物語