スタジオジブリの最新作『思い出のマーニー』のヒロインが決定!有村架純が不思議な少女役に
『借りぐらしのアリエッティ』(10)の米林宏昌監督が長編2作目と手掛けることで話題のスタジオジブリの最新作『思い出のマーニー』(7月19日公開)。先日行われたマスコミ向け報告発表会に西村義明プロデューサーが登壇し、ヒロインを務める2人のキャストが発表されたほか、予告編が上映された。
北海道を舞台に、孤独を抱える12歳の杏奈が、湿地のほとりに建つ誰もいないはずの屋敷に住む不思議な少女・マーニーとひと夏を過ごす姿を描いた本作。過去のジブリ作品には必ず、昨年引退を発表した宮崎駿と『かぐや姫のものがたり』(13)の高畑勲のどちらかが企画や脚本など何らかのかたちで制作に携わっていたが、本作では初めてその両名とも関わっていない。スタジオジブリの新しい挑戦ともいえる作品だ。
今回の報告発表会で一番注目を集めたのは、Wヒロインを担う2人の女優陣。杏奈役にはガールズユニットbump.yの高月彩良、マーニー役には、昨年「あまちゃん」でブレイクを果たし、映画や連続ドラマに立て続けに出演している有村架純が抜擢された。米村監督の熱望でWヒロインにはオーディションを行い、約300名の中から選ばれた2人。西村プロデューサーは杏奈役の選出について、「高月さんという子を見つけ、ほぼ彼女に決めていたのですが、僕たちの決心のために最終審査をさせてもらったんです」と、慎重に選んだエピソードを披露。一方、マーニー役の有村のオーディションは、初日の一人目だったという。米林監督も西村プロデューサーもその声を聞いて「“女の子から憧れられる女の子”のイメージにぴったりの声。あ、このコだね!」と、即決したことをと明かした。
また、4月19日(土)から全国の劇場で解禁される予告編もひと足早く公開された。杏奈が金髪で青い瞳のミステリアスなマーニーと出会う姿が収められ、今後の2人がどのように関わり合っていくのか、想像をかきたてられる内容に。なかでも印象的なのは、スクリーンいっぱいに広がる美しい風景だ。それもそのはず、今回、『清須会議』(13)などの実写作品の美術を手掛けてきた種田陽平が、美術監督として参加。西村は「絵コンテが出来上がる前に種田(陽平)美術監督が詳細な美術設計図やジオラマを仕上げてくれました。監督はそれをもとにカメラのアングルや絵コンテを決めていったんです。こんな経験は初めてでした!」と、種田が制作に加わったことで、美術面でも挑戦していると話す。
西村プロデューサーはこの作品について「宮崎(駿)さんや高畑(勲)さんでは表現できない、マロさん(米林監督の愛称)だからこそ作れる繊細な作品です」と米林監督を絶賛。さらに「過去のジブリ作品を超える、超えないではなく、お客さんが“これは自分のための映画だ”と共感してもらえるような作品に仕上げることしか考えていない」と熱い思いを語り締めくくった。【取材・文/トライワークス】