阿部寛&上戸彩、熱き絆を育んだ『テルマエ・ロマエ』。「阿部寛の裸にも慣れた!?」

インタビュー

阿部寛&上戸彩、熱き絆を育んだ『テルマエ・ロマエ』。「阿部寛の裸にも慣れた!?」

阿部寛が古代ローマ人役に扮し、興行収入59.8億円という大ヒットを記録した『テルマエ・ロマエ』(12)。続編となる『テルマエ・ロマエII』が4月26日(土)より公開される。前作が多くの観客の心を掴んだことを受け、阿部は「思いっきり、迷いなく演じた」とニッコリ。ヒロイン・真実役を演じる上戸彩も「求められている続編という気がして、胸を張る気持ちで撮影できた」と晴れやかな表情。2人に、本作の見どころはもちろん、お互いへの信頼感までを語ってもらった。

ヤマザキマリの人気コミックを、濃い顔の俳優を集めて実写映画化した本シリーズ。続編では、コロッセオにグラディエイターを癒すためのテルマエの建設を命じられた古代ローマの浴場設計技師ルシウス(阿部)が、またまたアイディアに悩みまくり、現代日本にタイムスリップしてしまう。

「前作で終わったと思っていました」と阿部。「シリーズもので、欲張り過ぎてうまくいかない続編もあったりするけれど、本作の場合、脚本を読んだ時に『これは面白い』と思った。よく練り込まれていましたね。例えば戦国時代にタイムスリップしてしまうとか、そういうことではなくて、僕は前作の続きとしてやれたら面白いと思っていた。ちゃんとそういう脚本になっていたし、笑いも、バンバン増えていた」と続編への不安も払拭するほど、脚本が素晴らしいものだったと言う。

上戸は「ルシウスの顔芸は、やっぱり面白い」と笑うが、阿部は「前作があれだけのお客さんに見ていただけたので、中途半端なことはできないと思いました」と語る。上戸も「皆さんが、この世界観にすんなりと入って行けるものなんだ確信できた。受け入れられたということは、すごく自信になりました。『II』が公開されるのも、楽しみで仕方がない。不安や裏切ることはない作品になっていますから」と力強くコメント。テーマはお風呂。日本人が古代ローマ人を演じる上に、タイムスリップまでしてしまう。なんとも異色だらけの爆笑コメディだが、多くの観客に支持されたことが大きな自信となり、続編を完成させた。

阿部はルシウス役で、第36回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得。当たり役となったが、大真面目にやることが役作りの秘訣だという。「古代ローマ人ということで、その時点で大嘘なわけですから(笑)。それを大規模なセットを用意して、環境を整えてやることが面白い。そこは大真面目になって、やった方が良いと思っています。あとルシウスに大事なのは、情熱と必死さ。必死さって、面白いじゃないですか」。

続編では、笑いと共に、ルシウスの裸のシーンも増えているように感じる。「裸度は絶対に上がっている!サービスショット満載。阿部さん、常に裸でしたよね」と上戸。阿部も「尻が、アップみたいになっていたからね」と同調し、2人で爆笑。続けて上戸が「現場で、阿部さんが裸でいることに違和感がなかった。前作では、阿部さんも私に気を遣ってくださって、『いつタオルを外そうかな』とかすごい気にしていてくださったんですよ。でも今回は、『彩ちゃん、おはよう!』ってパッと脱いでいたり。慣れたもんですよ」と暴露。またまた爆笑となるなど、この2人、かなり息が合うようだ。

上戸は「ルシウス役が阿部さんじゃなかったら、参加していなかった」と言うほど、阿部に信頼感を寄せる。「私は、映画って、届かぬお仕事のような気がしていたんです。でも主演として阿部さんがいて、そこに甘えられる機会というのは、自分にとってとてもありがたいことなんじゃないかと思って。その甘えられる人が阿部さんだったからこそ、やりたいなと思ったんです」。

さらに「『テルマエ・ロマエ』をやって、映画の楽しさや素晴らしさを知った。ひとつの台本を1か月くらい持って、その台本と向き合えるというのは、ドラマでは絶対に無理なこと。演じる役とちゃんと向き合う時間がたっぷりとあるから、映画って良いなと思った。そういう魅力を知ることができたので、映画が怖くなくなったんです」と、本シリーズで得たものは、限りない。

一方の阿部は「彩ちゃんの演じる真実という役は、すごく難しい役。脚本を読んでも、僕だって心配になるくらい難しい役なんです」と分析。「でも彩ちゃんは、(武内英樹)監督と話し合いながら、頑張って真実を作り上げてくれた。ワンシーンごとに本当に難しいんだけれど、彩ちゃんだからこそ出せる優しさや、コミカルさ、そのなかにあるほわっとした雰囲気など、その一つ一つが凝縮されて、しっかりとした魅力になっているんです。入浴シーンも、女優さんにとっては大変だと思うんです。そこでも色っぽいところを見せて、また違う真実の一面を出してくれる。この役は、彩ちゃんしかできないと思う。あらゆるシーンで輝いていて、尊敬に値しますよ」と、賛辞を惜しまない。隣で聞いていた上戸は、「今の音声、もらって良いですか?嬉しい!」と記者に語りかけるなど、お茶目な素顔を見せていた。

阿部と上戸の混浴シーンや、阿部が自撮りで挑んだというウォータースライダーのシーンなど、驚きと笑い満載に仕上がった本作。是非劇場で、“入浴スペクタクルコメディ”にどっぷりと浸かってみては。【取材・文/成田おり枝】

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