ジャングルでもスーツ姿&紅茶をたしなむ右京!劇場版に見る相棒ファンのツボを解析
回を重ねるごとにスケールを増していく「相棒」シリーズの劇場版最新作『相棒 劇場版III 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』(公開中)。season12を終了して迎える本作には、“相棒ファン”を刺激するシーンが随所に登場する。ここでは、ファンなら見逃せない必見ポイントを紹介したい。
3代目相棒である通称カイトこと甲斐亨(成宮寛貴)が劇場版に初登場し、天才的な洞察力を持つ刑事・杉下右京(水谷豊)とともに難事件に挑む今作の舞台は、ホームグラウンドである東京都心から遠く300キロも離れた孤島。ささいな事件の裏側に隠された巨大な陰謀が明るみになっていくなか、警察庁からの密命を知らせに登場するのが、及川光博演じる2代目相棒・神戸尊だ。
特命係を出た後も、右京に助言を求めたり、逆に右京が協力を仰いだりといったシーンはあったものの、本格的な共演は実に久々。右京と新旧2人の相棒がそろい、おなじみの特命係室でまさかの3ショットが実現しており、警察庁長官官房付という役職で古巣に戻った今、特命係に在籍した時のようなノーネクタイではなくエリートらしい佇まいになっている点も見逃せない。さらにドラマseason12の第1話で退職した三浦信輔も加わった捜査一課の名物トリオも復活しており(劇場版はseason12より前の設定のため)、ファン感涙の見どころとなっている。
また、これまで組織の腐敗や社会の矛盾を突いてきた本シリーズが、“国防”というまさにタイムリーなテーマに着手したことも、長年積み上げてきた「相棒」ブランドの力といえるだろう。絶海の孤島で繰り広げられる捜査、野外の本格的な戦闘シーンや民兵部隊の存在などダイナミックな展開も劇場版ならでは。また絶海の孤島というジャングルにいながら、何食わぬ顔でスーツを着こなし紅茶をたしなむ右京の姿には、ファンならずともニヤリとさせられるはずだ。
00年に「土曜ワイド劇場」の単発ドラマとして放送し、その反響の大きさから異例の人気連続ドラマに発展した「相棒」。シリーズ14年目を迎えた現在も、老若男女問わず幅広い層から支持を集めている。親しみやすいキャラクターたちと現代社会のタブーに触れる視点のギャップ。劇場版でも確認することができるこのギャップこそ、本シリーズの人気の秘密かもしれない。【トライワークス】